仏、留学生受け入れ拡大戦略
Japan In-depth / 2018年12月3日 10時18分
しかしながら、外国人の留学生を増やす計画には問題ないとしても、この学費負担の増加は、国内外から反対の声があがっています。フランスの学生組合も「フランスの高等教育の扉を閉めるだろう」と非難し、フランス大使館議長は、「このフランスの制度が必ずしも良いイメージを与えるわけではない」との見解を示しました。
現在フランスの学費(年間)は、学士で170ユーロ、修士243ユーロ、博士が380ユーロとなっていますが、この計画が実施されれば、EU以外の外国人が留学で入学する場合は、学士で2770ユーロ 修士・博士で3770ユーロ払わなければならなくなるのです。
この点に関しては、フィリップ首相は、学費値上げの趣旨をこう説明しています。
ほとんど無料だからフランスの大学に来るのではなく、素晴らしい大学だからこそ、本当に選択し、希望して来るよう改革したい。そのためにも受け入れ側の質を向上させることは必須であり、フランスに来る裕福な留学生が、フランスの低所得の家庭の学生と同じ金額しか支払わない不公平さも是正したい。
確かに一見、学費の増額は、海外からの留学生を足踏みさせるような政策と感じますが、裕福層の外国人にとってはそれほど高額な学費ではないことも事実でしょう。しかも、学費を負担することになったと言っても全額ではありません。この金額は必要経費の3分の1にしかすぎず、残りの3分の2はフランス側が負担することには変わりはないのです。また裕福な留学生から学費を受け取るのと並行して、経済的に余裕がない学生に対する奨学金や免除の対象者数を3倍にするとし、これにより外国人の4人に1人が奨学金か免除の対象になる計画であり、低所得者の門戸を狭めることなく受け入れ人数の増加も実現できるとしています。(参照:フランス国民教育・高等教育・研究省)
フランスはヨーロッパの中心にある、世界第6位の経済大国であり、この発展を継続するために、留学生が多くやってくることを望み行われる改革なのです。
留学生が果たす役割とは何かということを、わかりやすい例をあげるとすれば、フランスに留学したことがある元東京都知事の舛添要一氏ではないでしょうか。1970年代に行ったフランスでの留学時代のお話しを今現在もことあることに日本で披露されており、フランスに関するニュースについて頻繁に解説を行っています。まさに、フランスの事を知った元留学生がフランス国の代わりに説明すると共に、フランスと日本をつなげる存在となっているのです。
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