平成生まれと「Eジェネレーション」(上)
Japan In-depth / 2018年12月22日 23時0分
林信吾(作家・ジャーナリスト)
林信吾の「西方見聞録」
【まとめ】
・ヨーロッパで「Eジェネレーション」が注目されている。
・彼らは2次元のコミュニティーに帰属意識持ち「祖国」の意識は希薄。
・これからは何事も地球規模で考えていく必要がある。
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平成最後の年の瀬である。普段もっぱら西暦で年を数えているので、元号などあまり意識しないのだが、生きているうちに二度も改元を経験することになろうとは……それを思うと、やはり感慨深い。
平成生まれも、初期の世代は間もなく30代。今後彼らが、社会の中枢を占めて行くのであろうが、まあ私の目の黒いうちは、主導権は昭和世代のものだろう、などと考えたりもする。
海外では、王侯貴族が生き残っている国でも、わが国の元号のような制度はないので、当然ながら、世代についての呼称もまるで違う。わが国でも有名なところでは、英米のアングリー・ヤングメン(怒れる若者たち)がまず挙げられるだろうか。
実はこの呼び方、英国と米国ではニュアンスも実態も異なる。英国の場合、1940年代初期に生まれて、第2次世界大戦後の混乱の中で育ち、大英帝国の栄光など信じていない世代、と一般に定義されている。米国の場合はもう少し遅く、おおむね日本の団塊世代と同様、大戦後のベビーブーム世代で、物質的にはなに不自由なく育ったものの、もっとも多感なティーンエイジャーの頃、ベトナム戦争や国内の公民権運動に直面して問題意識に目覚め、反戦運動を大いに盛り上げた世代とされる。
▲写真 ベトナム戦争反対の活動を行う人たち カンサス州ウィチタにて1967年01月01日 出典:アメリカ国立公文書館(Public Domain)
そして近年、ヨーロッパでは「Eジェネレーション」と呼ばれる世代が注目されつつあるのだが、こちらは日本ではほとんど知られていない。言わばヨーロッパ統合の申し子で、どの年代を指すかについては諸説あるのだが、冷戦が終結した1989年以降に生まれた世代、との定義がもっとも一般的だ。だとすると、まったくの偶然ではあるが、わが国の「平成生まれ」と同じということになる(平成は、西暦で言うと1989年1月8日から)。
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