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バノン復活、トランプを救う? ~2019年を占う~【アメリカ】

Japan In-depth / 2018年12月30日 18時0分

 


復帰したバノン氏の下でトランプ政権は、「国境」「通貨」「国家アイデンティティ」のキーワードに基づき、現在進行中の政策の見直しおよび純化を図るだろう。


 


一部見直しの対象となるのは、政権初期に実現した大企業や投資家優遇の税制や規制緩和だ。「経済的な打撃を受けた人々を助ける」バノン的なポピュリズムが、ようやく初めて実際に採用される可能性がある。


 


手っ取り早く、トランプ氏が中間選挙期間中に唱えた「中間層10%所得減税」などが推進されるだろう。これには、大統領に敵対する民主党も大筋で協力せざるを得ず、大統領の劣勢が挽回できるかもしれない。


 


一方で、純化される政策もある。バノン思想に基づく米中貿易戦争は熾烈さを増し、日本など同盟国に米国が迫る2国間通商協定の締結圧力は高まるだろう。減速する経済の下で支持を増やしやすい反移民・国境の壁建設政策はより強化され、民主党の抵抗が徐々に無力化されてゆく。


 


こうして、減速する米経済を逆手にとってバノン的政策が次々と実現し、「安定」と「成果」を挙げるのではないか。


 


一方、在韓米軍撤収の約束による朝鮮半島の「非核化」を実現させ、それを平和の功績だと喧伝する可能性もある。


 


「バノン氏がトランプ政権に戻って、落ち目のトランプ大統領を救う」。荒唐無稽かもしれないが、これが筆者の2019年の米国政治の大胆予想である。


 


トップ写真)スティーブ・バノン元首席戦略官兼大統領上級顧問(2017年2月23日 CPAC)


出典)flikr : Michael Vadon


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