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ペルーフジモリ家、いばらの道

Japan In-depth / 2018年12月30日 23時9分

フジモリ家の苦難はこれだけではない。昨年暮れの恩赦で実質12年ぶりに自由の身となったフジモリ元大統領に対し、司法当局が10月初め恩赦無効の決定を下したことは衝撃的ニュースとして内外で伝えられた。元大統領は現在、ガンや心臓病の悪化でリマ市内の病院に収容されている。医師団が当面、病院での治療が必要と判断していることもあって、警察の特別施設での再服役を免れているものの、「再収監は時間の問題」(リマの主要紙)との見方が強い。



▲写真 フジモリ元大統領と長男・ケンジ氏(2018年6月8日) 出典:ケンジ氏のツイッターより


苦難続きのフジモリ元大統領と娘のケイコ氏に若干明るい話もある。末っ子のケンジ氏の態度が軟化していることだ。ケンジ議員はFPに対する数々の反党活動を理由に、FPから除名処分されるなど、ケイコ氏と激しく対立。一時、両者は不倶戴天の敵といわれるほど悪化した。ところが最近、ケンジ氏は姉の収監先である刑務所をたびたび訪問。姉の夫ビラネラ氏は「悲運が重なるフジモリ家にとって唯一の救いは、ケイコとケンジの仲が昔に戻り、一家のきずなが強固になったことだ」と語っている。



▲写真 ケイコ氏とケンジ氏(2016年6月)出典:ケンジ氏facebook


ただし、ケンジ議員は「家族愛と政治は別」として、新たに独自の政党を立ち上げた。2021年の次期大統領選に向け自らが立候補するためとの見方が専らだ。フジモリ家の親類筋は「父親のアルベルト(フジモリ元大統領)はケイコとケンジの間を取り持ち、次期大統領選にどちらか一方が出馬するよう説得しているようだが、難しいだろう」と漏らす。フジモリ家にとってはなお、イバラの道が続きそうだ。


トップ写真:フジモリ元大統領(中央)と長女・ケイコ氏(右上)。ケイコ氏が勾留された直後の2018年11月3日にfacebookにアップした写真。「娘を政治の世界に引き込んだことへの後悔」をつづった文章が添えられている。 出典:Alberto Fujimori Fujimori-Oficial facebook


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