韓国レーダー照射問題 EEZで既成事実化 ~日本海の波高し~その2
Japan In-depth / 2019年1月11日 12時34分
この懸念は的中し、大和堆では現在も日本が韓国漁船の漁獲量の規制を行えず乱獲が横行している。また、漁業の権利がない北朝鮮、そして中国漁船までが密漁で乱獲に加わっている。だが乱獲は「症状」に過ぎず、本質は、暫定水域設定による日本の主権の希薄化なのだ。
■ エスカレートする韓国の行動
さらに重要なのは、ここ数年の暫定水域における漁業秩序の崩れの中で、韓国が日本の排他的EEZを自国の排他的EEZのように看做すようになっていることだ。レーダー照射が起こる前に、その兆候は現れていた。
まず、日韓両国には漁獲量や漁獲ルールづくりにおいて意見の相違があり、2016年には互いのEEZへの入漁ができなくなった。2018年8月には同年の漁業交渉を行うための漁業共同委員会の開催が見送られるなど、漁業秩序の裏付けである協力関係が崩れを見せていた。
こうした中、2018年11月15日には日本EEZ内の大和堆の暫定水域(能登半島から北西約250キロメートル、竹島の北東約333キロメートルの海域)で、山形県の酒田港に所属するイカ釣り漁船「第38正徳丸」(136トン)と韓国の漁船「3088 Munchang(『文昌』か)」が衝突する事故が起こる。正徳丸側の過失であったようで、文昌が浸水したが、乗組員は近くで操業中の別の韓国漁船に救助され、けが人はなかった。
写真)イカ釣り漁船(イメージ)
出典)Frickr;Yamaguchi Yoshiaki
だが、この事故は日韓漁船が入り乱れる同海域において、韓国海警の活動がさらに活発化するきっかけを作った。海上保安庁が現場に巡視船や航空機を派遣し、事故原因や当時の状況を調べると同時に、韓国の海洋警察も現場海域に警備艦や救助ヘリを派遣したからだ。
その5日後の11月20日、大和堆の暫定水域で操業中の北海道根室漁協のイカ釣り漁船「第85若潮丸」(184トン)が、韓国海洋警察庁の警備艦から「操業を止めて海域を移動せよ」との無線交信を受けた。
この海域の緯度や経度は発表されていないが、そこが法的に争いのない日本のEEZであれ、韓国が一方的に主張するEEZと重複する海域であれ、1999年に改訂された日韓漁業協定により、暫定海域において韓国海警は日本漁船を取り締まることはできず、海上保安庁の警備艦も韓国漁船に警察権を行使できない。
この記事に関連するニュース
-
フィリピン大統領、南シナ海の権益守る法案に署名 中国は反発
ロイター / 2024年11月8日 18時51分
-
北朝鮮が短距離弾道弾7発 異例の一斉発射、EEZ外に落下
共同通信 / 2024年11月5日 11時36分
-
北朝鮮が複数の弾道ミサイル、韓国軍発表 日本のEEZ外に落下か
ロイター / 2024年11月5日 9時28分
-
インドネシア、領土保護で「適切に対応」 中国船のEEZ侵入で
ロイター / 2024年10月31日 18時16分
-
北朝鮮がICBM級の弾道ミサイル1発を発射 北海道奥尻島の西(EEZ外)に落下…北海道内に緊張広がる
HTB北海道ニュース / 2024年10月31日 13時0分
ランキング
-
1時速194キロ暴走は危険運転 遺族「当然の判決」 量刑には疑問も
毎日新聞 / 2024年11月28日 21時0分
-
2セブンの一部店舗、「万引き犯」とされる人物の顔写真を公開 SNSでは賛否両論...本部の見解は?
J-CASTニュース / 2024年11月28日 18時48分
-
3大阪維新、岸和田市長を調査へ 吉村代表「トップとして判断」 女性との性的関係巡り
産経ニュース / 2024年11月28日 22時23分
-
4原発の汚染水処理めぐり12億円を詐取か…64歳の会社役員の男を逮捕 架空の発注があったかのように装った疑い
MBSニュース / 2024年11月28日 19時40分
-
5男女の従業員が客を接待…“ミックスバー”と呼ばれる風俗店を無許可で営業か 代表の26歳男を逮捕 容疑認める
東海テレビ / 2024年11月29日 6時54分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください