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韓国レーダー照射問題 EEZで既成事実化 ~日本海の波高し~その2

Japan In-depth / 2019年1月11日 12時34分

 


ところが韓国の警備艦は若潮丸に漁の中止を求め、740メートルの距離まで接近した。ここに至って、一連の無線を傍受していた第9管区海上保安本部(新潟市)の巡視船が割って入り、若潮丸を保護するとともに、韓国の警備艦に「要求は認められない」と無線で通告した。それでもなお韓国海警は、若潮丸の近くに2時間20分留まったという。


 


菅義偉官房長官は11月22日、「韓国側警備艦による日本漁船への一連の行動は、明らかに日韓漁業協定に反しており、わが国としては断じて受け入れることができない」と強い調子で批判した。


 


菅氏によると、韓国外交部からは「慣れない海域での警備のため、現場がルールを理解していなかった」「わが警備艦が日本漁船に管轄権を行使したことは遺憾で、再発防止に努めたい」旨の返答があった。


 


韓国側が誤りを認めたように見えた。だが、韓国海警が暫定水域に関する取り決めを知らないはずはない。事実、この後で韓国の日本EEZ内における治外法権的な主権行使はさらにエスカレートするのである。


 


■ 北朝鮮漁船が関与するインシデント


 


韓国の行動は、日本海における北朝鮮と韓国の接触増加と協力関係の強化とともにエスカレートしている。今回のレーダー照射事件に関して二転三転する韓国の言い分も、実は日本EEZ内における韓国と北朝鮮との接触から目をそらすカモフラージュである可能性がある。


 


まず11月3日、韓国のトロール漁船(84トン)が、「大和堆の近くの海域」で操業をしていたところ、北朝鮮軍によって「拿捕」されたと韓国メディアは報じている。


 


若潮丸事件が起こった海域の近くで、日本のEEZ外かつ韓国EEZ内、韓国と北朝鮮の水域が隣接する「操業自粛水域」で発生した。報道が真実なら、北朝鮮軍が韓国EEZに侵入していたことになる。なお、操業自粛水域は拉致防止と安全のために設定されたものだ。


 


韓国漁船は北朝鮮のEEZ水域へ移動させられたが、2時間後に「南北が和解関係にあるから帰れ」と言われ、解放された。ところが、この韓国漁船は韓国海警に事実を知らせず、その後も懲りずに操業自粛水域での操業を続けた。そして正徳丸の衝突事件が起こった11月15日に、再び北朝鮮警備艇に同水域を追い出されたのだという。


 


これらの北朝鮮による韓国漁船拿捕と日韓漁船衝突事故を受けて韓国海洋警察庁は、警備艦1隻を前方配置し、航空パトロールを週3回に強化した。そうした中で11月20日、韓国海警が若潮丸を日本EEZから追い出そうとしたのだ。日本のEEZが、韓国EEZ内の操業自粛水域のように扱われたわけだ。


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