韓国レーダー照射問題 中朝韓のわなにはまるな ~日本海の波高し~その3
Japan In-depth / 2019年1月12日 0時0分
岩田太郎(在米ジャーナリスト)
【まとめ】
・在韓米軍撤退は西太平洋地域における「中国夢」実現の一歩。
・嫌韓論と断交論の高まりは日本の半島関与を弱めたい中朝韓の罠にはまること。
・日韓関係を悪化させて挑発に乗ってはならない。
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韓国海軍の駆逐艦「広開土大王」が2018年12月20日、海上自衛隊のP1哨戒機に対して敵対的な火器管制レーダーを照射したとされる問題では、日本の排他的経済水域(EEZ)における、韓国海洋警察や韓国海軍の「主権実力行使」の増加による、将来的かつ継続的な日韓衝突の可能性が注目される。
この日本海における日韓関係の緊張に北朝鮮が絡み、日本の地政学的な利益が侵食され、さらに韓国がレーダー照射事件や慰安婦問題、徴用工賠償命令、竹島問題などで日本世論を挑発し、嫌韓論や断交論を高めておいて、韓国が日米韓同盟を放棄する大義を立たせる可能性がある。
そうなれば、中国を宗主国と仰ぐ北朝鮮主導の半島統一が達成しやすくなり、日本の目前である玄界灘に統一朝鮮との軍事境界線が迫る危険性が高まる。そのため、今回の事件はより大局的な見地からの検証が必要になるのである。
■ 韓国と北朝鮮の不可解な動き
大和堆(やまとたい)における韓国軍の海自機に対するレーダー照射は、日本のEEZ内で治外法権を与えられた韓国海警に韓国軍が便乗し、北朝鮮船のインシデントを積極的に利用して、日本のEEZを「韓国の海警と海軍による実効支配」の下に置こうとした試みである可能性は前回、指摘した。
▲画像 大和堆 出典:Wikipedia
北朝鮮の密漁船が大量に出没する大和堆の暫定(ざんてい)水域(2017年だけで海保が1900隻超に退去警告や放水)、それに隣接する韓国EEZ内の操業自粛水域は、韓国海警や韓国軍が「北朝鮮漁船保護」「韓国漁船保護」を口実に、大和堆の暫定水域でわがもの顔に振る舞い始めている。
その意味では、尖閣諸島の周辺で中国漁船の保護や取り締まりを名目に実効支配を深める中国の手法と似通っていなくもない。韓国の場合は、これに第三国かつ一体化しつつある北朝鮮が絡むため、さらに不可解でややこしい。
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