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パフォーマンス理論 その1 練習時間

Japan In-depth / 2019年2月11日 12時22分

パフォーマンス理論 その1 練習時間


為末大(スポーツコメンテーター・(株)R.project取締役)


【まとめ】


・モチベーションは貴重な資源なので20年切れないやり方をすべき。


・日常的に長時間練習をすることは割に合わない。


・効果が高い練習は12歳迄週4時間、18歳迄週10-15時間、大人でも週20時間迄。


 


【注:この記事にはリンクが含まれています。サイトによっては全て表示されないことがあります。その場合はJapan In-depthのサイトhttps://japan-indepth.jp/?p=44070でお読みください。】


 


思うところがあり、今年一年間、52回、私の競技人生で、どのようにパフォーマンスを発揮するかについての試行錯誤をまとめていきたいと思う。あくまで私の経験によるものなので、今の時代では否定されているものもあるかもしれないがそれはご容赦いただけると。第一回は練習時間について。


以下が私の練習時間の推移である。



小学生-週2日/1日90分


中学生-週5日/1日2時間


高校-週5,6日/1日2-3時間


大学-週5日/1日3-4時間


22-26才-週5,6日/1日5-6時間


27才以降-週5日/1日2-3時間



色々やってみて、1日2時間あればほとんどの練習効果は得られるという結論に至った。


アスリートにとって時間以外で最も貴重な資源はモチベーションである。練習によって決してモチベーションをすり切らしてはならない。体よりも心の方が消耗品かつ直しにくく、致命傷になる。これが大前提にある。もしトップを目指したいならだいたい25-30で競技のピークが訪れるので、10歳から競技を始めたとして、少なくともモチベーションが20年切れないようなやり方をすべきだ。


私が幸運だったのは、才能溢れた小学生、中学生時代に指導者も家族も興奮せず、練習時間を定め、友人と遊んだり(学業はほとんどしなかったが、、)家族と過ごす時間を確保できたことだ。


15歳になるまではたとえどのような競技であれ、よほどの専業プロフェッショナルになっていない限りは(いやそうであったとしても私は子供にはさせないが)、練習時間は2時間以内、週に5回以内、週の練習時間が合計10時間を超えないようにおさめるのが望ましい。私の中学時代までは、練習時間がこの範囲を超えたことは記憶にある限りない。余談になるが同じクラブから100mの山縣選手も出ている。高校からは少し増やしてもいいが、これも週に5,6日、2時間以内を限度にするべきだと思う。


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