ベゾス プライベート写真脅迫事件の根っこ

Japan In-depth / 2019年2月11日 20時53分

ナショナル・エンクワイヤラーはアメリカン・メディア社(以下AMI)の主要紙で、オーナー社長であるデイビッド・ペッカーはドナルド・トランプと旧知の仲という人物。同紙は金を使ってありとあらゆるセレブのスキャンダルを集めるメディアだが、なぜか大統領選挙以前からドナルド・トランプに関するネガティブなスキャンダルは掲載したことがなかった。それどころか、トランプを当選させるためにスキャンダルをもみ消してきた。



▲写真 デイビッド・ペッカーAMI社長 出典:AMI Homepage About Us


それは「キャッチ&キル」と呼ばれる手法で、トランプの大統領選に不利な情報、例えば3番目の夫人で現ファーストレディーであるメラニア・トランプ妊娠中に彼がストーミー・ダニエルズというポルノ女優と関係を持ったとか、そのうち妻とは離婚するからと嘘をついて元プレイボーイ・モデルだったカレン・マクドゥーガルという女性と不倫の関係にあった、という話だ。


女性側にはその話を特ダネ扱いするから他のメディアには絶対に喋らないという契約を取り付けた上で大金を握らせ、その後で「やはりあの話は使えない」ともみ消す。もし逆らって「約束が違う」とどこか他のマスコミに持ち込もうとすれば反対に契約違反で訴える、というやり方だ。


折りしも、そのキャッチ&キルの窓口としてトランプの指示で金を振り込んだり、相手の女性を脅したと法廷の場で認めた元用心棒(自称弁護士)であるマイケル・コーエンが、ニューヨーク南部地方裁判所で3年の刑期を言い渡されたばかりだ。この裁判の判決文に出てくる、コーエンに命令や指示を与えた「individual 1」というのはドナルド・トランプを指している。



▲写真 マイケル・コーエン(左)出典:IowaPolitics.com


トランプが大統領選挙活動中だったため、AMIによるキャッチ&キルのような活動は重大な選挙法違反なのだが、AMIは地方裁判所と交渉し、コーエン被告の行動に関する情報をすべて裁判所に伝え、今後3年間はキャッチ&キルを含めた違法行為は一切行わないという条件でお咎めなしとなっていた。


にもかかわらず、AMI側はベゾスに「今回の自分の不倫離婚スキャンダルの報道に政治的な利害関係はない(要するにトランプがらみではない)と公言しろ。さもなくばさらに10枚の卑猥な自撮り写真を掲載する」という交換条件をつきつけたのだ。ベゾスに対するこのメールが脅迫行為と認定されたり、違法に自撮り写真を入手したとわかったりすれば、AMIは非常にまずい立場に置かれる。


この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング