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バブル時代の歩き方(上)~ロンドンで迎えた平成~その2

Japan In-depth / 2019年2月13日 0時16分

 


2年ほどの間に進行した円高のおかげで、私自身はなんの努力もせず、50ポンド以上の利益を得たことになるわけだ。当時、学食では2ポンドでステーキとポテトにありつけたから、決して小さな額ではなかった。


 


目下、英国はブレグジット=EU離脱問題を抱えているが、そのせいでポンドが下落している。日本人観光客にとっては福音だという話を、どこかで聞いたことはないだろうか。


 


実際、バブル期の1980年代末期には、ポンドは220円くらいになっていた。当時、私はと言えば、かなり偶然性の高い経緯でもって、ロンドンで現地発行される日本語新聞で働く身となっていたのだが、会社からもらう給料よりも「内職」で日本に原稿を送った方が、実入りがよかったほどである。


 


当時はまだ、インターネットがさほど普及していない、という事情もあって、海外在住の人間が書く「現地情報」には、高い値段がついていた。『地球の歩き方・ロンドン編』の執筆・編集で中心的な役割を果たしたのが私なのだが、その儲けで中古のジャガーが買えたと言えば、その一端が想像できるであろうか。


 


そう。地球の裏側を歩いていた私でさえも、バブル景気の恩恵を受けることはできたし、今さらそのことを隠そうとも思わない。まして私の場合、土地を転がしたわけでもなんでもなく、まっとうに働いて得た金なのだから、恥と思うこともない。


 


では、バブルの一体なにが問題だったのか。ロンドンでの検分を軸に、あらためて考えて行きたいと思う。


(中に続く。全3回)


トップ写真:1980年ころ 英国ロンドン トラファルガー広場 出典:geograph by Helmut Zozmann


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