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芸能界に転換点 ZIGGY森重樹一氏登場!

Japan In-depth / 2019年2月22日 13時9分

しかし、不思議なことにこの依存症者を貶め罵倒する日本の風習は、同じ日本人にしか向けられていない。つい最近も、大物芸能人がアルコールで問題を起こしたが、事態が発覚すると、昨日まで仲よしこよしで仕事をしていた芸能人が、急に吐き捨てるように罵倒したり、教育専門家や文化人と名乗るタレントが、「甘えている」「だらしがない」「情けない」などと精神論を振りかざしていた。そして「芸能界でやっていこうなんて甘い」「引退は当然」と居場所を奪い、社会的に抹殺していくのである。


万が一、問題を起こした芸能人が運よく再起を果たせたとしても、一切過去には触れずタブー視されていき、回復のプロセスは一切見えてこないのが常である。


しかしながらこのように同じ芸能界に生きる日本人タレントに対しては声高に罵倒する芸能人やコメンテーターも、海外アーティストやセレブに対しては、決してこのようなことはしない。例えばエリック・クラプトンや、ロバートダウニーJr.などに、「あなたのような犯罪者がなぜ来日してきたのですか?」「あなたはなぜまだ芸能活動をしているのですか?」「あなたのようなだらしのない人間は人前に出るべきではない!」などと言っているのは見たことがないし、そのような記事が配信されたこともない。皆、笑顔で来日を喜び、活動を絶賛し、例えアルコールや薬物依存症の過去があろうとも「それだけストレスがある仕事なのだろう。」「そこから再起したことは素晴らしい。」と善意に解釈するのである。



▲写真 エリック・クラプトン(2008)出典:Wikimedia Commons; Majvdl


このような日本の芸能界の同胞憎悪と欧米人コンプレックスがどこからくるのかわからないが、こういった見せしめや懲らしめ的な姿勢は、長年、我々依存症者とその家族を苦しめ、多くの弊害をもたらしてきた。「依存症だとバレたら社会的に抹殺される。」「依存症者は嫌われる。」「誰にも知られてはならない。」と震えあがり、どこにも相談できず、家族の中で抱え続け、最悪の場合は、自殺や心中、家庭内殺人という悲劇を起こすに至っていた。



▲写真 ロバートダウニーJr.(2014)出典:Flickr; Gage Skidmore


しかし依存症に対する理解が進んでいる欧米諸国では、当事者の姿勢も全く違ったものになる。依存症の当事者となった芸能人や著名人も、自分がリハビリを受けたことを恥じてなどいない。むしろリハビリを受けないことが恥とされる。そして回復へのプロセスが自分を成長させてくれたと誇りにしている。


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