仏、スポーツ「ヒジャブ」論争過熱
Japan In-depth / 2019年3月2日 18時11分
▲写真 World Hijab Day2019 インドネシア 2019年2月28日 出典:twitter World Hijab Day
3. ビジャブ=宗教的標章
フランスには、ライシテと言う基本原則の一つがあり、これは同じ信条を共有していない諸個人を共存させるルールとも言えるものです。
共存するために、「公共空間における,自由な霊的・宗教的な表明と,公共空間の支配とを区別する」と言う項目があり、学校において、宗教を誇示する装飾の一つであると考えられていビジャブの着用を禁じています。そのため、ビジャブとライシテは切り離せない話題のようにも思えますが、今回のデカトロンの場合は個人の生活において着用する種類の話であり、ライシテの総責任者であるニコラス・カデーネ氏によれば、市民の信仰の自由な表現を許しているライシテには抵触しないという見解を示しています。
■ ビジャブ=個人の自由意思で着ている衣類
このようにフランスではビジャブを含む女性の体を隠すイスラム教の女性の服装について議論は、主に上記の3つの観点で話が進んいくのです。しかしながら、こういったフランス観点に基づいた議論を聞いていると何か違和感を感じことがあります。それは、攻撃したい国はイスラム信仰者がいる全ての国ではなく一部の話であることに不自然さを感じるからでもありますが、それと同時に、ビジャブを生活習慣の一つとしてや、自分の意志で着ていると言う個人の自由については無視されているからのように思えます。
だいたいビジャブの着用が問題となり、2004年3月に公立学校での宗教的標章の着用を法律で禁止した時ですら、626名のビジャブが違反者とされ、その中の143名はビジャブを取るのを拒否して退学させられました。その状況を受け、彼女たちの教育を受ける権利のはく奪は不当であり、ただの差別ではないのかと国連が批判したぐらいです。海外から見ると、違和感を感じる内容であることには間違いありません。
そして、2016年、複数のフランスの地方自治体が、イスラム教徒の女性が全身を覆う水着「ブルキニ」を禁止に白熱し問題となりました。この時もフランスは、国外から大きな批判の的となりましたが、結果的には、この禁止措置は、行政裁判の最高裁にあたる国務院が「信教と個人の自由という基本的自由を、深刻かつ違法に侵害する」と判断し、凍結を命じられました。
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