「中距離核全廃、日本主導で」元防衛相中谷元衆議院議員
Japan In-depth / 2019年3月3日 23時0分
安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト)
Japan In-depth編集部(大川聖)
「編集長が聞く!」
【まとめ】
・米朝でトランプ氏が妥協しなかったことは評価。制裁継続が大事。
・中国も含めた多国的なINFの制限を日本主導で目指すべき。
・平壌に連絡事務所設置し対話のチャンネル開いて拉致の情報収集や交渉をすべき。
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2月27、28日の2日間、ベトナムの首都ハノイで、トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が2回目となる首脳会談を行った。会談によって、米朝関係は決裂し、非核化への道のりは遠のいた。安倍編集長は元防衛大臣で自由民主党衆議院議員中谷元氏に話を聞いた。
■ 米朝首脳会談の評価
安倍編集長は「トランプ大統領は非核化が担保されないと制裁解除しないとした。金正恩朝鮮労働党委員長側の読み違いだったのでは。」と聞いた。これに対し中谷議員は「アメリカは核拡散・核保有について断固認めないという姿勢をずっと一貫し、強い意志を示した。北朝鮮に妥協せず原則を貫いた。」とアメリカの姿勢を評価した。
一方で、「非核化について前向きな意見も出ていたが、北朝鮮は高飛車で不当な要求をしてきた。事前の準備・お膳立てが全くなく、首脳会談にお互い賭けていたようだが失敗した。」と述べた。外交交渉は事前に内容を詰めて臨むのが通例だが、「首脳外交に過大な希望を抱きすぎた。」と指摘した。
また、中谷氏は「同時にコーエン元弁護士の証言もあり、トランプ大統領自身が弱い立場になり大胆な妥協ができなかった。」と述べ、会談が合意に至らなかったのは内政事情が許さなかったのも影響しているとした。
米朝会談でアメリカは北朝鮮に対し、寧辺(ニョンビョン)以外に一般に知られていないウラン濃縮施設の存在を知っていることを明らかにした。中谷氏は「米メディアによると、平壌郊外にある降仙(カンソン)にウラン濃縮施設があり、廃棄をアメリカは要求したが、応じなかった。ただ単に寧辺だけ処理して終わる問題ではないということが露呈した。」とした。
▲写真 Kangson(カンソン)のウラン濃縮を行っていると思われる施設(中央の縦長の建物)出典:Middlebury Institute of International Studies @2018Planet Labs,Inc.
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