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「中距離核全廃、日本主導で」元防衛相中谷元衆議院議員

Japan In-depth / 2019年3月3日 23時0分

そのうえで「北朝鮮が核を放棄するのはありえないと思っている。また、外交交渉するのも核を使って一つ一つ小出しにして利益を得て、それでまた核開発するとみている。北朝鮮の誠意が伝わるような内容でないと妥協すべきでない。」と述べた。


安倍編集長は「今回、大きな進展はなかったのでしばらくこのままいく見通しか。」と聞いた。これに対し中谷氏は「韓国も経済協力・制裁緩和・平和宣言と揺れているが、やはり原点である“北が核を保有している”という脅威は変わってない。ここで(米朝が)決別したのでそういう動きは止まるだろう。」と述べた。


また中谷氏は「制裁しているからこそ(米朝は)対話のラインまできている。引き続き北が本当に核を放棄するところまでやらなければいけない。」と制裁継続の重要性を強調した。


北朝鮮側の交渉について中谷氏は「とりあえず人道的な支援を要求し、それなら寧辺廃棄としたが、順番が違う。そこはアメリカとすれ違っていて、トランプ大統領は原則は緩めていないし変わっていない。」と述べた。


一方アメリカ側について中谷氏は「国家安全保障問題担当のボルトン大統領補佐官やポンペオ国務長官は札付きのタカ派。絶対核は認めないという主義でまだ強硬策もテーブルの上に載っている人たち。最後にボルトン氏が出てきたので北には相当プレッシャーになったのでは。」とし、北朝鮮にとってボルトン氏の存在は大きかったと指摘した。



▲写真 Photo Credit: Official White House Photo by Shealah Craighead


 


■ 今後の安全保障


中谷氏は「日本にとっても会談の結果はよかった。北の核保有は安全保障にとって重要な問題。他人事ではなく、日本自身がしっかりやらなくてはいけない。」と警鐘を鳴らした。


そのうえで「中距離ミサイルは存在している。INF(Intermediate-range Nuclear Force Treaty:中距離核戦力全廃条約)もなくなったままである。日本は東アジアの安定と平和を構築する重要なプレーヤーとして、今後北朝鮮と対話のチャンネルを作り、平壌にも外交の連絡事務所を設置して、拉致も含めて直接情報収集とか交渉しながら、主体的にやっていかなければいけない。」と主張した。


さらに「INFは米ソの廃棄だが、日本やヨーロッパにとっては冷戦崩壊の象徴。今度は中国も含めた多国的なINFの制限を目指すべき」との考えを示した。それに対し安倍編集長が「日本はイニシアチブをとれると思うか。」と聞くと、中谷氏は「米露が辞めてしまったので、日本が先頭に立つべきだ。多くの国が賛同できるので、日本の外交の新しい目標になるのでは」との見方を示した。


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