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ゴーン氏支えるレバノン人脈

Japan In-depth / 2019年3月14日 18時0分

(参考:TV5Monde「レバノンから見たカルロス・ゴーン事件」)


また逮捕の状況を巡っては「多くの疑問符」が付くとし、「透明かつ完全な適正手続きによる」対処を日本側に求め、レバノンの駐日大使は、拘置所に熱心に通い、ゴーン氏の苦痛を少しでも和らげようとマットレスなどを購入し差し入れを続けていた。


投資と言えば、日産所有とし、レバノン・ベイルートに購入した豪邸もレバノンの活性化には少しながらも貢献しただろう。購入に10億円、改修に7億円かけたと言われている。


またゴーン氏自身もレバノンに共同創業でワイン醸造所「イクシール(Ixsir)」を立ち上げている。ただし、このワイン醸造所はゴーン氏にとってはただの投資ではなかったようではある。


ゴーン被告の友人であり、現地とのつなぎ役としてパートナーを務める元裁判官のショクリ・セイダー氏は、このワイン醸造所についてはこう語っている。「カルロスはワイン醸造所などは、利益のための投資というよりも、彼が持つレバノンとのつながりに対して投資しようとしていた。彼は、引退後の生活の一部をレバノンで送ろうと考えていた。おそらくパリや東京で見つけることができなかった、ちょっとした人の温もりを求めているのだろう。」


この思い入れがあるワイン醸造所では、2016年には妹のシルビア・ゴーンさんの60歳の誕生日パーティーが行われた。ゴーン家一族が一同にレバノンに集まったのだ。誕生パーティーの写真の中には、ゴーン氏の一番下の妹のネイラさん夫妻の姿を見つけることもできる。彼女の夫は、レバノンの血を引くレバノンディアスポラの一人でもあるが、同時にフランスの名高い大企業の最高経営責任者(CEO)である人物。フランスの経済界の重要人物と、家族の中でもレバノンアイデンティティでつながっている様子を垣間見れる。



▲写真 シルビア・ゴーンさんの60歳の誕生日パーティー 出典:L'Orient-Le Jour(ロリアン・ル・ジュール)Twitter


世界規模で飛び回っていたゴーン氏ではあるが、彼の心の中で基盤となる国は、彼が生まれた国ブラジルでもなく、成功を収めたフランスでもなかったのだろう。やはり多感な少年時代を送った土地であり、世界に居てもアイデンティティでつながった同士が集う国レバノンだったのではないだろうか。そんなゴーン氏の心の祖国レバノンに関係する人々が、窮地に陥ったゴーン氏を一番積極的に支えようとしている。間違いなく、ゴーン氏にとっては本当の祖国と言えるのかもしれない。アイデンティティによる結束の大切さを見せつけられているようでもある。


トップ写真:カルロス・ゴーン氏 出典:flickr Photo by Adam Tinworth


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