高知東生氏が自分を語る意義
Japan In-depth / 2019年3月22日 18時0分
また、回復の過程で自分の物語を話すということは、依存症の回復プログラムそのもので、私は高知氏の回復にもお役に立てると確信している。というのも世間では誤解されているが、依存症者は「甘え」ているわけでなく、むしろ「我慢強さが度を越してしまっている」人がいるのだ。度を越した我慢強さというのは「弱音を吐けない」「我慢の上にも我慢」「自分の心に蓋をする」ということが習慣化していくことで、それらを自分の中に押し込むためにアルコールや薬物、ギャンブルがますます必要になり乱用者や依存症になってしまう。
ところがこういったタイプは、自分の中では「我慢し、感情を殺し、自分の中に押し込める」ことが幼い頃から「当たり前」だと思っているので、自分がそういう度を越した我慢強さをもったタイプと知らずに生きてきている。その上、アルコール、薬物、ギャンブルでなんとかその限界を突破しているのだが、その正体を知りつくしているのも自分だけなので、ますます自分を責め「まだ我慢が足りない」「もっと努力が必要だ」「自分はダメな奴だ」と責めているのである。つまり努力の向きが全く逆なのである。
私が推測するに、有名人やスポーツ選手で、アルコール・薬物・ギャンブルといった依存症で問題を起こす人は、こういったタイプが多いのではないかと思う。元プロ野球選手の清原氏なども考えて頂ければお分かり頂けるかと思うが、このタイプだと推察され、小学生のころから注目され練習一筋で来ているわけで、我々の小学校時代とは全く違うのである。
高知氏も世間的には「チャラ男」のイメージがあるかもしれないが、実は、本当に苦労人で普通の人なら、とっくに潰れていた所を生き抜いてこられた方である。私としてはいずれ自叙伝でも書いて頂きたい位に思っている。
今回の番組にご一緒に出演して下さった、薬物依存症問題の第一人者である国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所薬物依存研究部部長で精神科医でもある、松本俊彦先生も番組の中で高知氏に語って頂くことについてこうコメントされている。
写真)松本俊彦先生(右)
出典)Japan Indepth編集部
「高知氏に回復して貰って、みんなの希望になって貰いたいと思いました。話すことで整理がつくことってあると思うんですよ。アルコールや薬物の依存症の方って、本当はうんざりするようなこととか、くさくさすることが沢山あるんですけれど、割とみんな我慢強くって、心に蓋をしているんですよね。」「特に薬物の方は、法に触れるわけですから自然的に話せないことが多くなる。その嘘自体が薬物の使用を多くさせてしまうのです。」「だから正直に話すこと、誰か信頼できる人に胸の内を打ち明けるといったこと自体に、治療的な意味があるのではないかなと思っています。」
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