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「黄色いベスト運動」の人々(上)

Japan In-depth / 2019年3月30日 23時0分

マクロン大統領は、デモ直後のTwitterで、「今日シャンゼリゼで起こったことはデモではない。共和国を破壊し殺そうとしている者たちだ。そこに居た全員が共犯者と言える」と、黄色いベスト運動で人が集まればこういうことになることがわかっているのにデモを続ける黄色いベストの活動者たちにも責任の一旦があるとした。

▲写真 マクロン大統領 出典:ロシア大統領府

この日の破壊されたパリの惨状を重く見たフランス政府は、シャンゼリゼ大通りなどでのデモを禁止し、各地点で厳重に参加者の持ち物検査を行い、さらに、「非許可」のデモに参加した場合の罰金を、38ユーロ(1ユーロ=約125円)から約4倍の135ユーロに引き上げると発表することとなった。

23日のデモには、デモ活動者は厳しくチェックされ、高級店は軍隊が出動され警備されることとなり、遠くからテレビを見ながら見守る視聴者たちは、黄色いベストたちのせいで町が破壊されることがないよう守る勇ましい精鋭たちにエールを送ったのだ。

しかしながら、黄色いベスト運動のデモ隊は、こういった暴力行為を非難している側であると主張する。それどころか現在でも人気が続いている黄色いベスト運動の何人かのリーダーたちは、黄色いベスト運動は、政府をくつがえそうとしているデモという報道内容すら否定しており、真実を報道しない大手のメディアは見ないでくれとまで言っているリーダーも居る。

確かに完全なる反マクロン派の黄色いベストのリーダーも居ないわけではない。Facebookで動画などを流し、2018年12月上旬に気に174,000人以上の購読者を集めマキシム・ニコルはその一人だ。しかし、彼が伝える情報には、誤った認識や情報、未確認の噂などが多く、疑問視する人も多くなってきているせいか、最近では動画の視聴者数はそこまで急激には伸びないようだ。

このように黄色いベストには勢いで急激に名前を有名にした複数のリーダーが存在はしているが、全員が多くの支持を得られているわけでもないのも事実である。反対に、活動が始まって4カ月が経っても、多くの視聴者を集め続けているリーダーも、もちろん存在する。黄色いベスト運動で一番有名なリーダー、エリック・ドルーエ(Éric Drouet)氏もその一人だ。

 

■ 黄色いベスト運動の原点を作ったエリック・ドルーエ

トラックの運転手だったドルーエ氏は、2018年10月に友人と燃料税の増加に抗議するためにパリの環状線に運転手が集まり訴えることを決めた。実はこの呼びかけが黄色いベスト運動の始まりになったのである。純粋にフルタイムのトラック運転手として、燃料税高騰に反対する気持ちから始まったのだ。

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