憲法改正と小西洋之参院議員
Japan In-depth / 2019年4月6日 12時24分
ところが小西氏は、この顛末を防衛省に通報し、翌日の参議院外交防衛委員会(2018年4月17日)にてこの件について質問し(小西参議院議員のご発言等)、事を政治問題化させた。いかにもこの人らしい振る舞いである。
小西氏については別の参考事例もある。平和安全法制の参院委員会採決(2015年9月19日)に際し、議長に背後から飛びかかった小西氏を佐藤正久議員(現外務副大臣、自民党)が拳で押し返した場面が、写真ではあたかも顔面にストレートが入ったように見え、国際的にも話題となった(佐藤氏はこの後しばらく「パンチ佐藤」と渾名される)。
▲写真 佐藤正久参議院議員 出典:@SatoMasahisa
当日の小西氏のツイッターを追うと、その変遷ぶりが興味深い。
「誰にも暴力は振るってないし、また、振るわれてもいません」(17:41)、「強行採決の混乱の中で、私が誰かから殴られたのではないかと心配を頂きましたが、下から二人がかりで引きずり降ろされたタイミングと、丁度重なって見えるだけでした」(18:01)、「国民の憲法を守るため必死で気付きませんでしたが、顔を殴られていました」(23:42)、「強行採決の際に受けた殴打ですが、映像等にあるように事実です」(23:55)と説明が変わっている。
佐藤、小西両氏は因縁があり、その数週間後、「自衛隊員の母親の望みも虚しく、自衛隊員は他国の子供を殺傷する恐怖の使徒になるのである」(2015年9月30日)とツイートした小西氏に対し、佐藤氏が「いくら法案反対でも非常識過ぎる。注意する民主議員はいないのか!」と厳しく論難した(小西氏は数日後、「集団的自衛権行使を受ける国の子供達は自衛隊員を『恐怖の使徒』と思うだろう。違憲立法から自衛隊員を救わなければならない」に文章を修正)。
先の自衛官とのトラブルでも、小西氏は別れ際に、「あなたのような自衛官を殺させるわけにはいかない。だからこそ憲法改正をなんとかやめさせようと思っている」と語っている。
小西氏の厚顔無恥を嗤うのはたやすい。しかし彼が、上記の如き言動を繰り返しつつ、当選を重ねている事実は重い。憲法改正は間違いなく厳しい戦いになる。
参考)防衛省:自衛官の小西参議院議員に対する暴言を含む不適切発言事案について(最終報告)
トップ写真:小西洋之参院議員 出典:@konishihiroyuki
【訂正】
2019年4月14日に以下を修正しました。
修正前)横畠裕介内閣法制局長官「このような場で声を荒らげて発言するようなことまでとは考えていない」
修正後)横畠裕介内閣法制局長官が「このような場で声を荒らげて発言するようなことまでとは考えていない」
修正前)自衛官は『撤回しません。 何が悪いんですか?名前は言いません。』と押し問答になった。
修正後)自衛官は「撤回しません。 何が悪いんですか?名前は言いません。」と押し問答になった。
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