インドネシア大統領選現職優勢
Japan In-depth / 2019年4月18日 15時26分
大塚智彦(Pan Asia News 記者)
「大塚智彦の東南アジア万華鏡」
【まとめ】
・現職の実績と庶民派で支持を集めるジョコウィ氏が優勢。
・「強い指導者」を掲げる元国軍幹部プラボウォ氏が追う。
・プラボウォ氏には人権侵害関与疑惑がある。
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インドネシアの大統領と副大統領を国民の直接投票で選ぶ大統領選の投票が4月17日、全国約81万カ所の投票所で行われた。
投票締め切り後の同日午後から即日開票が進んでいる。選挙管理委員会の正式な開票結果は数日から1週間かかるとみられるが複数の民間調査機関が「開票速報」を17日午後3時過ぎから次々と伝え始め、17日午後4時半(日本時間午後6時半)の時点では、現職のジョコ・ウィドド(ジョコウィ)大統領が平均値で約54%、対立候補のプラボウォ・スビアント氏が同約46%となっており、現職ジョコウィ大統領が優勢となっている。
17日午後5時(日本時間午後7時)に支持する政党の党首、マアルフ・アミン副大統領候補とともに報道陣に前に姿を現したジョコウィ大統領は「速報値の結果は見ての通りだが、選挙管理委員会の正式な投票結果がでるまで待とう」と呼びかけた。
その直前には別の場所でプラボウォ氏が集まった支持者や報道陣に対し「我々は多くの投票所で勝利しており、まだ結果はわからない」と述べており、双方とも現時点での勝利宣言とはならなかった。
▲写真 ジョコ・ウィドド現大統領 出典:ロシア大統領府
大統領選挙は家具職人から政界入りした庶民派のジョコウィ大統領がイスラム教団体の長老で著名なイスラム教指導者でもあるマアルフ・アミン氏を副大統領候補に選んでペアを組み、世界最大のイスラム教徒人口を擁するインドネシアのイスラム票の取り込みを図った。
これに対し元国軍幹部で1998年に崩壊した長期独裁政権のスハルト大統領の女婿で、野党「グリンドラ党」党首であるプラボウォ氏は、女性や若者に人気のあるジャカルタ特別州のサンディアガ・ウノ元副知事を副知事候補として選び、これまで激しい選挙戦を繰り広げてきた。
▲写真 プラボウォ・スビアント氏 出典:Wikimedia Commons
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