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金正恩、再び軍事挑発の狙い

Japan In-depth / 2019年5月15日 12時3分


▲写真 失敗に終わった第2回 米朝首脳会談(2019年2月 ベトナム・ハノイ) 出典:flickr; The White House (Public domain)


まず、権力中枢が揺れている。直近の北朝鮮からの内部情報によると、対韓国、対米国交渉を主導してきた金英哲党副委員長が統一戦線部長を解任(後任はチャン・グムチョル)され、現在自宅待機中だという。金正恩は、金英哲に対して「米国側の意図を何一つ見抜けなかったではないか」と怒りをぶちまけたらしい。


 また、金正恩の妹の金与正もハノイ会談終了後姿を見せていない。この件については彼女の宣伝・扇動手法の失策が原因として指摘されてきたが、それだけでなくより深刻なのは、覚せい剤常用の噂が持ち上がっていることだ。


 


▲写真 南北首脳会談(2018年4月27日 板門店「平和の家」)に。同席していた金英哲氏(右から3人目)と金与正氏(右端)。金英哲氏は統一戦線部長を解任。金与正氏はハノイでの南北首脳会談後姿が見られなくなった。 出典:Cheongwadae / Blue House (Wikimedia Commons)


 


こうした中で今特に混乱に陥っているのが外務省だ。幹部数人が米国に情報を流したスパイとして公開処刑された。本当にスパイだったかどうかは分からない。たぶん金正恩の権威を守るためのスケープゴートだったと思われる。そればかりか、露朝首脳会談時にプーチン大統領に刀を渡すようにしたことも外務省内の金正恩反対勢力の仕業とされている。 


北朝鮮外務省は、昨年末のチョ・ソンギル代理大使の亡命以来揺れに揺れている。この事件で外務省に党組織指導部の検閲が入り、一時李容浩(リ・ヨンホ)外相まで首が飛びかけた。次官の崔善姫が上司である李容浩にぞんざいな言葉を使っているのもこうしたことが関係している。だが調査の結果李外相は直接責任がなかったとして口頭警告で終わった。 



▲写真 大揺れの北朝鮮外務省。写真は首になりかけた李溶浩外相 出典:Fars News Agency (Wikimedia Commons)


しかし、外務省内党委員長(外務省内の党員を監督する責任者)だった。許哲(ホ・チョル)は責任追及され解任された。許哲(ホ・チョル)は、金日成の側近で統一戦線部長だった許錟(ホ・ダム:金日成の叔父金亨権の次女の婿、1991年に死去)の息子だ。ロイヤルファミリーに繋がる人物の解任は、張成沢以来となる。


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