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米のインド太平洋戦略が始動

Japan In-depth / 2019年6月5日 7時0分

米のインド太平洋戦略が始動


宮家邦彦(立命館大学 客員教授・外交政策研究所代表)


「宮家邦彦の外交・安保カレンダー 2019 #23」


2019年6月3-9日


【まとめ】


・米国防総省「インド太平洋戦略に関する報告書」を発表。


・トランプ大統領 英国訪問は訪日の時と違い、やりたい放題。


・シャングリラ会合で米中が台湾分離に言及。


 


【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て見ることができません。その場合はJapan In-depthのサイトhttps://japan-indepth.jp/?p=46152でお読み下さい。】


 


先週末、恒例の「シャングリラ会合」がシンガポールで開かれた。同会合は「アジア安全保障会議」とも呼ばれ、今年で18回目。筆者も昔は結構参加していたが、最近は確かに行っていないなあ。年に一度アジア地域内外の国防大臣や安全保障の専門家などが一堂に集う一種のお祭りだが、今ではインターネットで同時生中継されるので、今年は東京の自宅でぼ~と聞いていた。実に便利な時代になったものだ。


同会合では、6月1日にシャナハン米国防長官代行が演説を行い、「新たなインド太平洋戦略を発表した」と報じられたが、それは違うだろう。「自由で開かれたインド太平洋戦略(以下FOIP:Free and Open Indo- Pacific Strategy)」については、2018年6月の第17回会合でマティス国防長官が既に包括的な演説を行っている。今回シャナハン長官代行が「新たな戦略を発表した」訳では全くないのだ。



▲写真 パトリック・シャナハン国防長官代行 出典:U.S. Department of Defense


誤報ではなく、一種の勘違いだろうが、その理由はシャナハン演説と同時に米国防総省が初めて「インド太平洋戦略に関する報告書」なるものを公表したからだ。英文で55ページ、かなりの分量だ。米国防総省が報告書を作るということは、良きにつけ悪きにつけ、FOIP戦略に予算が付いて実質的に動き出したことを暗示する。FOIPについては、今週の日経BP電子版とJapanTimesに書いたのでご一読願いたい。


先週はトランプ氏の国賓訪日を取り上げたが、要するにサプライズがなくて良かったねという話だった。今週トランプ夫妻は国賓として英国を訪問しているが、訪日とは異なり、既にロンドンでは大騒ぎになっている。市内では反トランプのデモがあり、トランプはメイ首相やメガン妃を批判する一方、Brexit強硬派の政治家を礼賛するなど、相変わらずやりたい放題。「日本では静かにしてくれて本当にありがとう」ということかな。


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