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中国船、比漁船沈没させ逃走

Japan In-depth / 2019年6月18日 11時27分

 


■ 「一般的海上交通事故」と中国報道官


こうしたフィリピン側の批判に対して中国外務省の耿爽報道官は13日に「一般的な海上交通事故である」との見方を示し、中国当局が事故に関して調査中であるとした。


その上で同日の時点ではフィリピン漁船に衝突して沈没させたトロール船が中国船籍の船とは確認されていないとして「事実を立証もせずにこの衝突事故を政治化することは無責任である」と逆にフィリピンを批判する態度を示した。


ところが中国政府は15日になって態度を一変、衝突したトロール船が中国の船であることを認めた。


しかし、フィリピンが主張する「当て逃げ」については「中国船の船長はフィリピン人乗組員らを救助しようとしたが他のフィリピン漁船に包囲されることを恐れた。他の船が乗組員を救助するのを確認した」と否定した。AFP通信が伝えた。


フィリピン側はこうした中国側の主張に対し、当時周辺に他のフィリピン漁船はほとんどいなかった、故意の衝突でなければ他のフィリピン漁船に囲まれる懸念も救助活動を妨害される心配もないはず、衝突から救助まで約6時間経過している、などとして中国側の主張に深い疑念を抱いている。


そもそも中国側の「一般的海上交通事故」であり「停泊船に衝突した」というのであればまずはあるべき公式の謝罪がないことが中国の当て逃げが確信犯であるとの見方を裏付けているとフィリピン側ではみている。


中国の態度に対してフィリピン側は「もし衝突が意図的であれば国交断行もありうる」(大統領府サルバドル・パネロ報道官)と強く反発。


フィリピン海軍司令官のロバート・エンベドラド中将は14日「フィリピン漁船は錨を下ろして停泊中に衝突されたものであり、これは(中国側が主張する)一般的な海上交通事故などではなく、一方的にぶつけられたものである。停泊中の船に衝突する船舶などありえず、もし何らかの過ちで衝突しても、海上の乗組員を放置したことも問題である」と中国側を厳しく批判していた。


海軍内部には未確認情報としてトロール船が中国の海上民兵組織所属の船舶との見方も浮上しているという。


海軍によると国際的なルールで停泊中の船舶への衝突を避ける義務が航行中の船舶にはあるという。さらに海上の要救助者を無視して逃走した行為は「犯罪行為であるとの指摘を免れることはできない」(パンフィロ・ラクソン上院議員)とも指摘している。



▲写真 パンフィロ・ラクソン上院議員 出典:Senate of the Philippines


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