中印対立激化は日本に好都合
Japan In-depth / 2019年7月3日 7時34分
※2)伊塔事件は新中国における最大の民族性騒乱である。ソ連は新疆において影響扶植を公然と試みており公務員や教科書のソ連化を進めていた。そして62年には食料不足にあった中国国民の逃散を扇動し伊利と塔城地区から7万人家畜22万頭に国境を越えさせた。これは中ソ対立を決定する一大原因となった。
※3)なお、チベットでの民族性騒動はインドの対中態度を強硬にさせる。インド人の歴史的記憶からすればチベットと新疆はインド影響圏だからだ。例えば英領インドの時代、インド商人やインド巡査もどちらにも所在していた。その経緯から一種の権益感覚を持つ。
※4)もちろん中国の平和主義あるいは徳治主義や協調主義の発露でもある。新中国はベトナム以外には外征はしていない。そのベトナム侵攻も中国衛星国カンボジア侵略への対応で一応の説明はつく。統一ベトナムによるポルポト体制からのカンボジア解放は妥当性を主張できる。ただ、同様に中国による懲罰も理由は立つ。少なくとも無名の師ではない。
トップ写真:青蔵鉄路。チベットにおける中国化の進展は民族的矛盾を産む。すでに2006年に青蔵鉄路が完成した段階で進出した外来商人との軋轢が生じている。今後はチベット鉄道網は網目状に発展する。そのような軋轢はチベット全域で生じることとなる。出典:WIKIMEDIA(撮影:Hiroki Ogawa)CC BY 3.0
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