パフォーマンス理論 その25 メディアについて
Japan In-depth / 2019年7月20日 7時0分
為末大(スポーツコメンテーター・(株)R.project取締役
【まとめ】
オリンピック競技の価値を世界に広げるのはメディアとのパートナーシップが必要なので選手はメディアを避けようとしても避けられない。
選手は「メディア」ではなく、目の前の人間に自分の考えをなるべく正確に伝えようとする努力が重要
人間は反応に対して依存する。
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それなりの競技成績を残したアスリートにとってメディアの付き合いは必ず出てくる。私のようにそれを喜ぶ選手ばかりではなく、嫌がる選手もいるが、避けては通れないし避けるべきではないと私は思っている。
まず、オリンピックの選手であればオリンピックがなくなれば自分の活躍の場がなくなることは理解できると思う。オリンピックというシステムは、世界からトレーニングを積んだアスリートが集まり技を競い合うものだ。それらが価値を持っているのはもちろん選手が懸命に戦う姿にあるが、例え価値があったとしても広がらなければ規模は生まれない。この価値を世界に広げて規模を生み出し、そこから大きなお金が生まれるようにしたのがオリンピックとメディアの関係だ。ロス五輪までは選手は皆一部自費で五輪に行っていた。
源は選手だったとしても、それを世界に広げるにはメディアとのパートナーシップが重要で、だから例えオリンピック選手がいくらメディアと距離を取ろうとしてもオリンピックというシステムがすでにメディアを組み込んだものになっているので逃れようがない。逃れようがないならちゃんと向き合ってよりよくしていったほうがいいではないかというのが私の考えだ。もちろん私のような出たがりもいればそうではない選手もいて、多い少ないはあると思うが、完全にメディアとの付き合いを避けることはできないしあまり得策ではないように思う。
では、実際にメディアと向き合う際に何を意識したらいいのか。まず忘れてはならないのは選手は「メディア」ではなく、メディアで働いている一人の人間と向き合っているということだ。なんでもそうだが、アスリートやメディアなどの固有名詞で人を呼ぶ時、ついその中にいる一人一人の人間の姿を忘れてしまうことがある。その状態に入ると、人はステレオタイプに相手を判断するようになる。その見方は偏見を生みやすいし、何より目の前の人間に興味を持てなくなりやすい。自分に興味を持たない人間に対し、良い感情を抱く人間はいない。メディアという職業をまず取っ払って、目の前の人間に自分の考えをなるべく正確に伝えようと努力することが、当たり前すぎるが結局一番重要なことだと思っている。。
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