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パフォーマンス理論 その28 トレーニングとの距離について

Japan In-depth / 2019年7月23日 7時0分

研究者と競技者の一番の違いは、科学者は何が科学的に正しいのかを追求しているが、競技者は何が現場で機能するのかを追求しているところだ。研究者タイプから見ると競技者タイプは思い込みが早く決めすぎに見える。競技者から見ると研究者タイプは検討が多くいつまでたっても夢中にならない人に見える。実際の競技の現場はこの間にあって、理想は一人の選手の中に両方の人格がいて、適時それぞれの考え方が出てくるやり方だろう。


私もこれがうまくできなかったので、曜日で何も考えずに走る日と、ずっと考えながら走る日を分けていた。また年に一度10月に全てを整理してトレーニングを組み立て直していた。経験上、一番良くないのは両方が同時に出る場合だ。これはどっちつかずになる。あるときは振り切って信じて突っ走り、あるときふと我に返り研究者のように客観的に分析する。これらが振り子のように機能するとちょうどよかった。もしこの両者を行き来することが難しく、どちらかしかないとしたら、信じて突っ走る性格の選手の方が競技成績が良かったように思う。客観的に分析することはコーチや研究者に外注できるが、信じて突っ走ることは当事者にしかできないからだ。


スポーツの現場では短期では狂気は正しさを凌駕する。しかし狂気の人間は自分の姿が見えていない。どこにいるのかどこに向かっているのかもさほどわかっていない。思い込みが強いタイプの選手は変に客観的になるより、コーチ選びに神経を使い、一度選んだら信じ込んで突っ走るというやり方がいいと思う。なれないものになろうとするより、できる人間に外注した方が効率がいい。


 


トップ写真)Pixabay Photo by RyanMcGuire


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