迷走する米国家情報長官人事
Japan In-depth / 2019年8月15日 8時54分
島田洋一(福井県立大学教授)
「島田洋一の国際政治力」
【まとめ】
・米情報機関計16、一枚岩でない。トップの国家情報長官人事迷走。
・多数派が正しいと限らず。少数派の情報も聞き大統領が政策判断。
・歯止めの議会秘密会証言で十分。情報長官は政策否定する公言避けよ。
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アメリカの国家情報長官人事がやや迷走している。その背後にある意味を、何度かに分けて探ってみたい。
まず現状だが、ダン・コーツ長官の8月15日付の退任が発表され、後任に指名されたジョン・ラトクリフ下院議員が検察官時代の「業績誇張」や情報分野での経験不足を問題視され、数日後に辞退、その後、国家テロ対策センターのジョゼフ・マグワイア所長(退役海軍中将)が国家情報長官代行に任命された。マグワイアが今後、長官に正式指名されるか、「つなぎ」の存在で終わるかは分からない。
▲写真 ジョン・ラトクリフ下院議員(左)、ジョゼフ・マグワイア国家テロ対策センター所長(右) 出典:いずれもパブリック・ドメイン
実はこの人事には数か月来、注目していた。私の友人のフレッド・フライツ安全保障政策センター所長が候補に挙がっていたからである。今や本人も、レギュラー・コメンテーターを務めるFOXテレビで、自分も候補の1人としてホワイトハウスとやり取りしてきたこと、大統領から求められれば受けるつもりであることを明言しているので、名前を出してもよいだろう。
ちなみにフライツはジョン・ボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)の懐刀として知られ、中央情報局(CIA)、国防情報局(DIA)、下院情報委員会、国務省などで長年の勤務経験がある。作年5月から11月までは、ボルトンの下で首席補佐官兼国家安全保障会議(NSC)事務局長を務めた。
▲写真 ジョン・ボルトン大統領補佐官(左)とフレッド・フライツ安全保障政策センター所長(2018年3月) 出典:Fred Flieitz.com Photo Gallery
フライツは今年初め、コーツ長官の解任を公然と求めた1人である。そこには、情報機関のあり方に関する重要論点が含まれている。
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