GSOMIA破棄「積極的防衛を」小野寺五典前防衛相
Japan In-depth / 2019年8月31日 11時27分
安倍:: ここ最近特に反日が加速している理由としては、元々韓国国民に存在をあまり知られていなかったGSOMIAの問題よりも、韓国をホワイト国リストから除外したことにより、経済的側面から反日を煽ってしまったことにあるのではないか、という見方もある。今後ホワイト国除外を見直すなどの可能性はあるのか?
小野寺: 今回の貿易上の輸出管理の問題は、政治的意図があってのものではない。日本は半導体製造にも使われるような物質を製造しているが、これはサリンやVXガスに転用されてしまう可能性もある。この物質の世界の8割の生産を担う日本は、兵器に転用されることがないように管理をする義務がある。過去数年間韓国に対しては、供給した物質の使い道について確認を求めているが、返答がこない。今までは韓国は優遇によりチェックなしで輸出をしていたが、これかからは何に使うか一つ一つちゃんと証明してくれればいいのではないか。
文政権にとっては、「日本からこんな酷いことをされている」ということで国民の支持を集める道具になっていることは否めない。これで下がり始めた支持率が上がり始めている。厳しい発言をすればするほど追い風になるということかもしれない。
(ホワイト国除外に関して)現在も検査管理をして申請を受けてきちんと輸出しているので、輸出の制限がされているわけではない。ただ正式な管理を求めているだけである。今後数年間韓国との関係は冷え込みますが、やっていくと実務上問題がなかった、あれは何だったのか、ということになるのではないか。
そういった面では、冷却期間をおき実態を見れば、韓国国民が怒る様な話ではなく、むしろ青瓦台が煽っている、内政面で支持率の低下や韓国政府のスキャンダル隠しなどに(日韓の昨今の問題が)利用されていると韓国民が冷静に見れば、それはそれでひとつの方向なのかな、と思う。
▲写真 ©Japan In-depth編集部
安倍: アメリカも日韓の対立に困惑しているようだが、在韓米軍に影響はあるのか?
小野寺: 心配なのは、事前にエスパー米国防長官が日韓両国を訪れ、GSOMIAの重要性を伝えていた。又韓国には破棄をせず継続を求めていた、と聞いている。今回の破棄は、ある意味ではこのアメリカの要請を袖にした形になった。こうしたことから、国務長官の失望や、トランプ大統領が韓国に対する不信感を募らせている、といったことが出ている。この状況を韓国側が米と距離を置くべく意図して行ったことであったならば非常に深刻であり、南北共に中国の方に近づいていこうという姿勢ならば、日本はより文政権の動きをすごく心配して見る必要がある。
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