GSOMIA破棄「積極的防衛を」小野寺五典前防衛相
Japan In-depth / 2019年8月31日 11時27分
安倍: 仮に韓国が中国に接近し、アメリカと距離を置くこととなれば、THAADミサイル(終末高高度防衛ミサイル)の移動や在韓米軍の縮小も考えられる。その場合、有事の際に日本に不都合は発生すると考えるか?
小野寺: 韓国は民主国家ですから、どの国と仲良くし、どの国と距離を置くかは韓国側が判断することである。ただ私が韓国の皆さんと共通の土台に立っていることは、(日韓は)共に民主国家であり、報道の自由があり、選挙で選ばれたリーダーが国を引っ張っていく、というスタンスがあることだと思う。これと今の中国が相容れるかどうかは現在の香港の状況を見れば明らかではないか。いくら経済面での連携が強いといっても、安全保障面でもがっちり組んでいけるのかどうかについては、韓国国民の判断を見る必要がある。
私は日本の立場としての文政権に関しての発言はするが、だから韓国はこうしなければいけない、と言うことは内政干渉になりますから。そこは韓国国民の冷静な判断を信じたい。
安倍: アメリカの今後の姿勢についてどう考えるか。
小野寺: アメリカは既に仲介の立場を取ろうとしているが、韓国側がこれを袖にしたことから、非常に韓国に失望している。
もう一点在韓米軍についてだが、毎年韓国は駐留経費に負担について交渉することとなる。今後交渉の問題において、韓国国内で反米意識が強まり、感情的にアメリカと距離を置くような方向にならなければいいのではないか、という心配はある。
安倍: 北朝鮮のミサイル技術の高度化について。現在の日本のミサイル防衛システムについても考えていく必要があるのではないか。
小野寺: ミサイルの軌道などの詳細分析については、日米韓で協力していく必要がある。通常、弾道ミサイルは高く打つことで遠くに飛ばすという仕組みだが、反対にこれを低く打つと、空気抵抗があるため(ミサイルは)遠くに飛ばず、速度も落ちる。こうした変わった打ち方は巡航ミサイルと同じであり、通常の防空システムで対応出来る。
ただ、技術は進歩していく。技術の進歩に対応するための研究は求められるのではないか。尚、今現在の北朝鮮の実験内容を把握する中で、大変だと慌てる必要はないと考える。
安倍: 通常の対応、というのは通常兵器で、という意味か。
小野寺:例えば弾道ミサイルは遠くから高速で飛んでくるので、イージスシステムの様な大気圏外で迎撃をするシステムで対応している問題だった。ただ、例えば低い高度で色々な方向から飛んでくることになれば、PAC3のような迎撃システムで今も対応している。つまり、色々な対応の仕方がある。ただ、技術の進歩に合わせて不断の見直しは必要である。
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