インドネシア閣僚人事に待った
Japan In-depth / 2019年9月24日 18時0分
大塚智彦(フリージャーナリスト)
「大塚智彦の東南アジア万華鏡」
【まとめ】
・ジョコ・ウィドド内閣改造に人権団体から抗議。
・ウィラント氏は人権侵害事件への関与疑惑がある。
・ウィラント氏就任は未解決問題の隠ぺいや風化につながる。
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■ 元国軍司令官の閣僚 次期内閣から排除を 人権団体要求
インドネシアで近く発足するジョコ・ウィドド大統領の2期目を支える新内閣の顔ぶれについて、人権団体からウィラント調整相(法務・人権・治安担当)の再任用を回避するよう求める声が上がっている。
閣僚の人選について人権団体が注文をつけるのはインドネシアではあまり例のないことで、記憶に新しいところでは2016年7月のジョコ・ウィドド大統領による内閣改造に際し、新たに閣僚に任命された人物に「インドネシア国家人権委員会(Komnas HAM)」や「行方不明者と暴力犠牲者のための委員会(Kontras)」などの人権団体が反対を表明したことがある。この時に批判の対象となったのがウィラント調整相だった。
そして再び、今年4月の大統領選で再選続投が決まり2024年までの5年間政権を維持することになったジョコ・ウィドド大統領の新内閣発足に注文をつける形となったのだが、この背景には2016年当時と同じくウィラント調整相を巡る過去の数々の人権侵害疑惑が依然として未解明のままであることが深く影響している。
Komnas HAMのチョイラル・アナム理事は9月20日、主要紙「テンポ」に対して「もしジョコ・ウィドド大統領が民主主義に対する使命を果たそうとするなら、政治・法務・治安担当の調整相は文民から選ぶべきである」との立場を明らかにした。これはかつて軍の最高ポストである国軍司令官の地位にあったウィラント調整相をさして「不適任」であることを明確にしたものである。
アナム理事はさらに「この政治・法務・治安を担当する調整相のポストは過去のいかなる人権関連事案とも無関係の人物が就くべきである。経歴が(人権に関して)クリーンな人物であれば調整相は正義と公正に関する国民の批判にもっと関心を払うことができるはずだ」として人権事件への関与疑惑がつきまとうウィラント調整相の下では人権侵害事件の解明は困難であることを強調した。
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