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「韓国がケンカをふっかけてきた」という誤解 「知日派」韓国人の声 その1

Japan In-depth / 2019年9月27日 11時7分

日本ではこういうことを「江戸の敵を長崎で討つ」と言いますよね。最大限、善意に解釈しても、日本政府の対応にはボタンの掛け違いと言いますか、大いなる誤解があったようだと言わざるを得ません。


その後、韓国政府は日本側からの仲裁の提案に応じる姿勢を見せていませんが、これまた、話の順序が逆だろう、ということなのですね。韓国の政府=行政府が司法判断に口出しはできないし、いわんや外国政府が文句を言うなど、それこそ「あり得ない」というのが、韓国政府の立場なのです。



▲写真 文大統領 出典:ロシア大統領府


日本では、いわゆる外圧や政治的な思惑が、司法判断に影響を与えるようなことが、そんなに年中起きるのですかと、嫌みのひとつも言いたくなるではないですか。


まあ、こんなことを言いますと、逆に嫌みを言われそうですね。韓国の司法がそんなに健全だとは知りませんでした、と。


実は私自身、この判決に問題なしとはしない、と考えてますし、何故このタイミングでこうした判決になったのか、という点に関してはきわめて批判的な立場です。この問題は、もう少し後でお話しさせていただきましょう。


それはそれとして、ここでもう一点、明らかにしておきたいのですが、私は日本の安倍政権にも韓国のムン政権にも肩入れしていませんし、そもそもフリーランスのジャーナリストですから、韓国政府の利害を代弁する立場ではまったくありません。


あくまでも、韓日双方の報道を読み比べ、両国のジャーナリズムに築いたネットワークを活かして得た情報を、客観的に語るのみですが、韓国政府は今、困り果ててますよ。


日本政府も韓国の国内世論も、きわめて非妥協的、もっとはっきり言えば頭に血が上ったような状態になっていまして、完全な板挟みですからね。


徴用工判決が出てから、もうすぐ1年が経とうとしています。


このあたりで、お互いひとまず頭を冷やして、隣国との関係というものを建設的に考え直してみるべきではないでしょうか。


(取材・構成・文責/林信吾)


 


【ヤン・テフン】


1967年、釜山生まれ。韓国の大学に合格していたが、兵役満了後、日本に私費留学し、城西大学経済学部卒業。韓国のTV製作会社の日本子会社勤務を経て、通訳・コーディネイターとして独立。現在はジャーナリストとしても活躍中。


トップ写真:ヤン・テフン(梁泰勲)著 『僕は在日〈新〉1世』(構成・林信吾 平凡社新書)


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