韓日の政治家・官僚は同罪 「知日派」韓国人の声 その2
Japan In-depth / 2019年9月27日 11時41分
林信吾(作家・ジャーナリスト)
林信吾の「西方見聞録」
【まとめ】
・日韓基本条約で支払われた韓国への資金援助はインフラ整備に消えた。
・当時の日本政府も請求権協定と個人賠償請求権は別物であるとの見解。
・日韓ともに、非難合戦ではなく、それぞれ自己批判すべき。
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いわゆる徴用工問題について、日本のネットでよく目にする、
「韓国が、またまた歴史問題を持ち出してケンカをふっかけてきた」
という見方は誤解である、と前回申し上げました。
ただ、この問題をあくまで公平に見ようとすれば、韓国の側にも「歴史問題」が存在するのだということは、認めざるを得ないですね。
どういうことかと言いますと、1965年に日韓請求権協定が締結されたわけですが、その交渉の過程で当時の政府は、個人補償は韓国が責任を持って解決する、と明言しました。だから日本からの補償金をもっと上乗せしろ、と。
そして実際に、この請求権協定を含む日韓基本条約によって当時の金で5億ドルという巨額の資金援助を日本から引き出しました。韓国にとっては、当時の国家予算の2年分以上、戦後復興の途上にあった日本としても、一括では支払えなかった金額でした。
その金が、慰安婦とか徴用工といった人たちへの補償に充てられるのではなく、道路やダム、発電所と言ったインフラの整備に、ことごとく使われてしまったのですね。
この件は韓国国内でも問題視され、2014年には訴訟沙汰にまでなったのですが、違法行為と見なすことはできない、よって政府に賠償責任なし、という判決が出されました。
その一方では、この請求権協定によって、個人の賠償請求権まで消滅したわけではない、というのが日本政府の立場でした。
1991年に、当時外務省の条約局長だった柳井俊二氏が、
「いわゆる個人の請求権そのものを国内法的な意味で消滅させたというものではない」
という国会答弁を行いました。
▲写真 柳井俊二氏 出典:Filckr; International Maritime Organization
これが韓国内でも大きく報道され、これ以降、個人請求権に基づく訴訟が多発するようになったとして、やはりネットの一部では、柳井氏を売国奴呼ばわりするような論調が見受けられますが、なにを言ってるんですか、という話です。
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