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比でテロ計画 戒厳令延長も

Japan In-depth / 2019年9月29日 18時0分

AKPに関しては9月18日に同じジェネラル・サントス市のバウィンで爆弾製造担当者とみられる23歳の男性が地元警察によって逮捕されており、今回の逮捕もこの時の情報に基づくものとみられている。23歳の逮捕者も今回の逮捕者もいずれも爆弾製造に関係していたとみられ、治安当局ではジェネラル・サントス市で近く爆弾テロを実行する計画があり、それを未然に防ぐことができたと成果を強調している。


地元警察によるとミンダナオ島南部で最近爆弾を使ったテロが続けて発生しており、8月には地元の市場で爆弾爆発により4人が負傷する事件も起きている。いずれもAKPのメンバーによるテロとみて、内偵捜査を強めていたところだったという。


 


■ 戒厳令下にあり延長問題も視野


今回爆弾テロ計画中のテロリストが逮捕されたミンダナオ島は現在全域に渡って戒厳令が敷かれており、軍や警察による超法規的措置が認められている。戒厳令は2017年5月に同島南ラナオ州マラウィ市が地元武装組織「マラテ・グループ」とやはりISと関係があるとされるイスラム系武装組織「アブ・サヤフ」のメンバーらによって武装占拠された時にドゥテルテ大統領によって発布された。



▲写真 対テロ掃討のため、フィリピン軍の空爆による炎を上げるマラウィ市内の建物(2017年6月15日)出典:Wikimedia Commons; Mark Jhomel


マラウィ市は同年10月に軍の作戦によって解放され、武装占拠は終結した。しかし占拠中に海外から駆けつけたISに関係のある外国人テロリストなどは解放後もミンダナオ島各所や首都マニラのあるルソン島、あるいは海路で隣国インドネシアに逃走するなどして今なお潜伏しているという。


このためフィリピン治安当局は国内潜伏中の外国人テロリストの発見、逮捕を進めており、今回の捜索でスウェーデン人を逮捕したのは偶然とはいえそうした外国人テロリストの潜伏情報を裏付ける結果となった。



▲写真 対テロ掃討で殉職した兵士に敬礼するドゥテルテ大統領(2017年7月28日)出典: Facebook; Rody Duterte


フィリピンでは2019年12月末に迫った現在の戒厳令の終了時期を前に「戒厳令延長の是非」を巡る議論が再び始まっている。ドゥテルテ大統領はこれまでに「戒厳令の延長は地元の要望次第」との姿勢を明らかにしているが、地元のミンダナオ島ではいまだにマラウィ市占拠の外国人を含めた残党が多く潜伏している可能性があることや今回のAKPによる爆弾テロ計画、さらに「アブ・サヤフ」など別の組織による活動も活発化しているとされることなどから主要都市ダバオを中心に「戒厳令の延長で治安の安定化を」との声が高まっているという。ダバオはドゥテルテ大統領が長年市長を務めた市で現在、大統領の長女サラ・ドゥテルテ市長が就任している。


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