仏、警察内部にテロリスト?
Japan In-depth / 2019年10月12日 12時21分
Ulala(ライター・ブロガー)
「フランス Ulala の視点」
【まとめ】
・パリ警視庁本部で3日、男性職員が同僚4人を刃物で殺害。
・容疑者は45歳のIT技術者でイスラームに改宗していた。
・警察監視対象者が過激化する兆候をどう捉えるか、議論続く。
パリ中心部のシテ島にある警視庁本部で3日午後1時ごろ、男性職員が同僚4人を刃物で殺害した。男は即座に警察に射殺されたが、当初は職場の問題であったと認識されていたものが、後日イスラム教に改宗し過激化した結果のテロである可能性が浮上し、過激化する国民をどのように把握するかの難しさが問われる事件となった。
▲写真 パリ警視庁本部 出典:Photo by Chabe01
■ 事件の経緯
事件はどのように起ったか。
事件現場を訪れたクリストフ・カスタネール内相によると、容疑者は45歳のIT技術者で、16年前からパリ警視庁で働いていた。複数のメディアによると、聴覚障がいがあったという。
▲写真 クリストフ・カスタネール仏内相(写真右)出典:Twitter:クリストフ・カスタネール仏内相
ミカエル・アルポン容疑者は朝8時58分に出勤した。そして、普通に午前の勤務を終えた後、12時18分に外出し、12時24分に近所の店で刃渡り20cmの家庭用ナイフと牡蠣用ナイフを購入。そして12時36分に部屋に戻り、仕事を再開している。12時47から12時51分に一度席を立ったが、12時53分に再び戻ってきた途端に事務所内の二人をナイフで刺した。その後、他の部屋でもう一人刺し、そのまま外に向かっていく途中の階段で二人を刺した。最終的には、階段を降りて中庭に出たところで、警官に射殺される。
容疑者を射殺したのは、なんと警察署に研修に来てまだ6日目の24歳の若い警察官であった。警察署の入り口で他の二人の同僚と共に警備をしていたところ、パニック状態の一人の女性が出て来た。
「早く来て!テロリストがナイフで何人か刺したわ!」
その時、アルポン容疑者は部屋を通ったところであり、そのまま階段を降り中庭に出たのだ。そして中庭に出た時に若い警察官と出くわした。警察官は「警察だ。武器を捨てろ!」と警告したが、容疑者は、右手に血のついたナイフをもち、こちらに水平に向けながら、ゆっくりと警察官の方に歩いてきた。警察官は、何回か警告を呼びかけたが男は警告を無視。しばらく止まったが、突然こちらに向かい走り出してきたのだ。
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