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子宮頸がん 情報格差は健康格差

Japan In-depth / 2019年10月20日 19時29分

ここに衝撃的な推計がある。厚労省の勧奨差し控え期間相当の6学年の女子人口は約300万人、ワクチンを接種していれば防げた子宮頸がんに罹患する子宮頸がんで約1万3千人が死亡すると推定されているのだ。



提供)藤沢女性のクリニックもんま


一方で、WHO(世界保健機構)の一機関である国際がん研究機関は「HPVワクチンは安全で効果的である。子宮頸がんで毎年31万人が死亡している。このまま適切な予防が行われないと、2040年には47万人まで増加するだろう」と警鐘を鳴らしている。


この日本の現実を私たちはどう受け止めたらいいのか、門間医師にさらに詳しく聞いた。  


 


■ 具体的活動内容


Q具体的にどのような活動を行っているのですか?


「私が取り組んでいることは草の根活動です。この1年間で一般を対象とした講演活動を約10回開催しました。子宮頸がんワクチンは小6から高1の3月まで公費で受けられるのですが、産婦人科医でさえ知らない方が多くいます。目の前のお産やオペなど、日々のことが忙しすぎて、そこまで手が回らないのが実情です。また、日本の20代の婦人科検診率は約20%しかありません。この検診受診率を上げることも地道に行なっています。20代の場合は異形成(下写真)が多いのですが、見つかった本人がショックを受けて周りにその話をしたことで、同じ職場から検診を受けに来ます。そうすると、数人の異形成が見つかることがあります。ですので検診にきた若い子には、『お友達にも勧めてね』と丁寧に伝えています。人は、3回同じ話を聞くと腑に落ちるんです。私はその1回になりたいと思っています。」



▲写真 子宮頸癌はこの図のように異形成という前癌状態を経て上皮内癌となる。上皮内癌は出来上がったばかりの癌だが、数年放っておくと浸潤が始まり広がっていく。 出典)徳島大学大学院私学薬学研究部  



提供)藤沢女性のクリニックもんま


Q活動を始めたきっかけは?


「実際に20代や30代の若い女性の命を奪う病気だという状況を目の当たりにしたからです。28歳で妊娠して、早期だったが子宮を摘出した女性もいます。子宮頸がんはⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ期と進行の段階がありますがⅡ期で発見したとしても放射線治療しかできません。Ⅰ期の半分程度しか手術ができません。手術できる期間がとても短いがんなのです。防げる病気なのに、知らない人が多すぎる。とにかく知ってもらわなければ、と思ったのがきっかけでした。」


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