ポルシェ初フル電動スポーツカー“タイカン”新社長と共にデビュー
Japan In-depth / 2019年11月21日 12時5分
安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト)
Japan In-depth編集部(小寺直子)
【まとめ】
・ポルシェジャパンは、初のフル電動スポーツカー「タイカン」を国内初公開。
・8月に就任したミヒャエル・キルシュ社長が、初めてインタビューに応じた。
・日本国内におけるサブスクリプションサービスに期待。
2019年11月20日、ポルシェ初のフル電動スポーツカー「タイカン」のジャパンプレミアが東京・表参道で行われ、報道陣に公開された。同日から事前予約を開始、納車は来年9月頃を予定している。
■ タイカンの性能
通常のEVの電気モーターは1基のみだが、タイカンには前後に2基搭載されている。ハイパワーかつ、反応が速い電動ならではの極めて高い加速性が特徴だ。3モデルのうち最上位の「ターボS」は、静止時から時速100キロまで2.8秒で到達し、駆け抜ける。また、加速を26回繰り返しても、そのタイム差は1秒未満で、パワーが衰えないとしている。
EVで懸念されるのが電欠、いわゆる電池切れだが、全国のポルシェセンターや公共施設に次世代CHAdeMOに対応した急速充電器(150kW)が設置される予定で、それを使用すれば、バッテリーを30分以内に80%まで充電することができる。
▲写真 急速充電器 提供:Porsche Japan
今回8月に就任し、メディアの前に初めて登場した、日本法人のミヒャエル・キルシュ社長は、「タイカンは、イノベーションと伝統、デザインと機能性を兼ね備えている。電動化されたポルシェの新たな魂だ。この車はEVの新たなスタンダードを設定する、真のスポーツカーだ。日本のお客さまの心をつかむことができる。」と自信を示した。
タイカンの開発に際して、もっとも重要視されたテーマの一つが、「デジタル時代への対応」だという。メーターはフルデジタル式で、自動車として世界で初めて音楽配信サービス「Apple Music」を車両の機能として組み込んでいる。サブスクリプション登録者であれば誰でも5000万以上の楽曲を車内で楽しむことができる。
▲写真 フルデジタル式メーター 提供:Porsche Japan
製造時の環境負荷にも配慮している。走行時にCO2を発生しないだけでなく、生産の新工場は、バイオガスで稼働するコジェネレーションプラントを設置し、再生可能エネルギーで生み出された電力を幅広く採り入れている。車体にはリサイクル可能なアルミニウムを37%使用し、シートなどにはリサイクル繊維を使っている。
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