岩手二戸市公民連携「オガール流」
Japan In-depth / 2019年11月30日 7時0分
出町譲(経済ジャーナリスト・作家、テレビ朝日報道局勤務)
【まとめ】
・二戸市温泉施設の建て替えを民間へ。公民連携の「稼ぐまちづくり」プロジェクト始動。
・民間事業者は法改正で都市公園の整備参入に追い風。
・岡崎正信と公民連携アドバイザー契約、オガール流を広める。
人口減少時代、ハコモノやインフラをどうするか。全国どこの自治体も避けて通れない。ハコモノは時間がたてば、確実に、老朽化する。ある時期を迎えれば、建て直しを迫られる「時限爆弾」のようなものだ。しかし、これまで通りの公共事業のやり方で建て直すのは、将来世代に対して無責任である。人口減少に伴う税収減の中、建設費に伴う借金、さらには完成後の維持・管理費がのしかかるからだ。
岩手県二戸市も、この問題に悩んでいた。ここは内陸部北端にあり、青森県に近い。人口は2万7000人弱ほどだ。課題は、金田一温泉にある日帰り温泉施設「金田一温泉センター」の建て替えだった。温泉センターは1998年にオープンし、地元住民や日帰りの観光利用客を中心に年間10万人が利用していた。しかし、老朽化が進み、化粧板が落下する事件も発生した。
▲写真 金田一温泉センター 出典:著者提供
▲写真 金田一温泉センター 出典:岩手県二戸市
建て替えをどうすべきか。今後も人口減少が見込まれる。建て替えには、税金が数億円かかる。そこで二戸市は大きく舵を切ることとなった。整備するのも、運営するのも、民間に切り替えるという道を選択したのだ。旧来型の行政主導からの大転換と言える。
二戸市はまず、「二戸市公民連携基本計画」を策定し、市内の3地区を「公民連携推進地区」として設定した。「金田一温泉周辺地区」もそこに名を連ねた。そして二戸市における公民連携の「稼ぐまちづくり」の先陣を切るプロジェクトとして進んでいくこととなった。
温泉センターは、市の都市公園内に整備されていたことから、一体的に再整備を行い、「稼ぐ都市公園」としての再生を目指すことになった。担い手は、株式会社カダルミライ。金田一温泉郷の活性化を目指して2018年7月に設立されたまちづくり会社である。この会社は地元メンバー3人が、事業を通じた地域活性化の意義と必要性を実感したことから設立された。2019年3月に正式に事業者として選定されたところである。
▲写真 株式会社カダルミライの経営メンバー3名 出典:株式会社カダルミライ
この記事に関連するニュース
-
【奈良市】「日常に公園のある暮らし」を公民連携で推進~民間活力の導入に向けたマーケットサウンディング(市場調査)の実施~
PR TIMES / 2024年6月28日 18時40分
-
内閣府主催「第1回PPP/PFI事業優良事例表彰」「長井海の手公園等交流拠点機能拡充事業」が特別賞を受賞。
@Press / 2024年6月28日 11時0分
-
【広島県福山市】未来の公園づくりに向けた実証実験(トライアル・サウンディング)の 実施事業者を募集します
@Press / 2024年6月21日 18時0分
-
地元の温泉は「入湯税」が150円でしたが、県外だと「50~100円」でした。なぜ温泉に入るのに「税金」がかかるんですか? 地域によっては安い場合もあるのでしょうか?
ファイナンシャルフィールド / 2024年6月21日 4時40分
-
株式会社ネクスウィル 岩手県紫波町「民間提案制度事業」採択のお知らせ
PR TIMES / 2024年6月18日 22時40分
ランキング
-
1何度も叫んだ「助けて」 駆け付けたヤマト配達員らに称賛の声
毎日新聞 / 2024年7月6日 8時30分
-
2JR常磐線で死亡事故 60代の男性が電車の下に入り込む
福島中央テレビニュース / 2024年7月6日 6時12分
-
3鹿児島県警の野川明輝本部長を不起訴…不祥事の隠蔽疑惑で刑事告発
読売新聞 / 2024年7月5日 22時42分
-
4「お前臭いねん」洗濯機に同僚の50代男性を入れて回した疑いで30代男2人逮捕 男性は「過去にも暴行を受けていた」と話す
MBSニュース / 2024年7月5日 19時40分
-
5「今日はやめよう、終わり」説明の場に係長不在で立腹し面談1分、長谷川岳参院議員“威圧的言動”新たに…要職就任で挨拶に行くと「遅いのは犯罪、帰って」「反省文」も
北海道放送 / 2024年7月6日 9時9分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください