トランプ政権GSOMIAで指導力発揮
Japan In-depth / 2019年12月2日 7時0分
韓国のアメリカに対するこうしたパニック的な反応は実は歴史上の前例がある。
古くは1977年ごろ在韓米地上軍の撤退を公約に掲げたジミー・カーター氏が大統領に当選した時だった。韓国側は時の朴正煕政権こそこの撤退計画には反対だったが、野党や民間では反米志向も強く米軍撤退を求める声もあった。だからそのアメリカ地上軍が韓国から撤退するという案にもそれほどの抵抗はないだろうとも予測されていた。
ところがいざその撤退が現実に近くなると、与野党、官民が一致してのパニックのような反対運動が起きたのだった。やはり韓国にとってアメリカとの同盟の絆、そしてその結果である在韓米軍の存在はなくてはならないとの認識が深層心理ではきわめて強かったのだ。ふだんはその真の心情をみせず、米軍がいなくても平気だというような言動をみせていたのだ。
その後にも韓国はアメリカとの同盟に関連してパニック的な反応をみせた。廬武鉉政権の時代だった。
2003年に登場した廬武鉉政権は当初から反米、親北に傾いていた。アメリカ側の当時の二代目ジョージ・ブッシュ政権は徹底して反発した。在韓米軍の一部を実際に削減までして、抗議の意向を表明した。
▲画像 盧武鉉大統領(左)とジョージ・W・ブッシュ大統領(右)2003年10月3日(タイ・バンコク)出典: Wikimedia Commons; White House photo by Paul Morse (Public domain)
文在寅氏の師匠にあたる廬武鉉大統領はあわてふためき、米韓同盟を根幹からは崩せないというパニックふう反応をみせた。韓国軍を米軍支援のためイラクへ派遣したのもその一例だった。
いまの文在寅大統領はこの廬武鉉大統領の最側近だったのである。その文政権のアメリカへのいまの身の処し方はなにかそんな歴史を思わせるのである。
しかしトランプ政権は韓国に対するリーダーシップを発揮した。同時にトランプ政権は米日韓3国の安全保障態勢の堅持にもはっきりとした意思を表示した。米韓同盟の堅持という政策にも揺るぎがないことを証明したのだ。
ちなみに私はトランプ政権のこうした韓国への姿勢や態度に総合的な光を当てた報告を「韓国の奈落」というタイトルの単行本にまとめて発表した。そのなかではアメリカと韓国との歴史的なつながりや、アメリカが日韓両国の屈折したからみあいをどうみてきたかも詳述した。12月冒頭の出版の書である。この場での自己宣伝を寛恕していただきたい。
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