香港民主化問題、米にも波紋
Japan In-depth / 2019年12月4日 18時0分
▲写真 林鄭月娥行政長官 出典:VOA
「彼女は自由な言論の何たるかを理解していないようだ」。そう語るクルーズは、名は伏せるが現地の民主活動家らとも会い、親しく意見交換したという。そして、普通選挙を実施せよという彼らの要求は、「正しく、妥当だ。中国政府に対し、香港の政治的自由維持という約束を守れと要求する香港人と共に私はある」と明確に述べている。
クルーズは、NBA(米プロバスケットボール・リーグ)の対中「屈服」問題にも触れた。「自由のために闘おう。香港と共に立とう」とツイートし、中国による報復ボイコットのきっかけを作ったのはヒューストン・ロケッツの統括部長(GM)だった。すなわち、クルーズ自身長くファンだという地元テキサス州のチームの経営幹部である(GMは、問題になった直後にツイートを削除)。
NBAにとって中国は、テレビ放映権だけで年間15億ドルという一大市場である。NBAのコミッショナーは、当初ロケッツGMのツイートを「遺憾(regrettable)」とするコメントを出し、事を収めようとした。この対応が、「アメリカ国内でのごく当たり前の発信に、独裁国家の検閲を許すのか」と大問題になる。
興味深いのはクルーズらが中心となりコミッショナー宛に送った、「香港の人々を意気阻喪させる」、「中国に各個撃破を許さぬよう今後は一丸となって中国の同種の試みに立ち向かうと強調せよ」などとした公開書簡に最左派の若手女性アレクサンドリア・オカシオコルテス下院議員もサインしていることである(10月9日付)。日本では考えられない光景だろう。少なくとも議員は党派を超えて一丸であることを示したと言える。
▲写真 アレクサンドリア・オカシオコルテス下院議員 出典:Flickr; nrkbeta
同書簡はまた、「米国内における社会正義や人権の問題について盛んに声を上げてきた」NBAの選手たちが「金銭的利害が絡んだ途端口ごもる」のは「基本的なアメリカの価値への裏切りだ」と黒人のスター・プレーヤーたちにも批判の矛先を向けている。
特にロサンジェルス・レイカーズのエースでバスケットボール界を代表するスター、レブロン・ジェームズの「よく状況を知りもしないのに口を開いた」とするロケッツGM批判に、疑問の声が集まった。ジェームズ選手は作年、トランプ批判の文脈で、「どこで起こる不正義であれ、あらゆる場所の正義への脅威となる。重要な問題に沈黙し始めるとき、我々の命は終わり始める」とツイートし話題を呼んだ人物に他ならないからである。
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