ゴーン逃亡劇、日本への挑戦
Japan In-depth / 2020年1月4日 10時46分
FranceInfoやTF1では、ゴーン被告がレバノンに滞在する時間が増えたのもキャロル夫人と出会ってからであり、キャロル夫人はトルコにも親族がいる。キャロル夫人が全て計画してレバノンに入ったのだろうと予測していたが、2日に、ゴーン被告は、アメリカの広報担当者を通じ、報道は全てが嘘で、自分一人で計画し家族は関係ない趣旨のメッセージがだされた。
日本政府は、外交ルートを通じてゴーン被告の引き渡しに向けてレバノン政府との調整を始めたが、自国民を引き渡すことを禁じており、かつ協定も結んでいない国間での引き渡しは難航が予想される。
レバノンのナジャール元法相は、レバノンの法律は自国民を外国に引き渡すことを禁じていると述べ、日本政府からの要請があったとしても、ゴーン被告を送還することは無理だと語っている。
フランスも同様な見解だ。パニエリュナシェ経済・財務副大臣は、「ゴーン被告がフランスに来ても、日本に容疑者として引き渡すことはない。なぜならフランス国民だからである。」と述べている。しかし、この規則は「日本の裁判を免れることはないという考えを、妨げるものではない。」とも述べ、「法の元から外れた存在ではない。」と指摘している。
また、国際刑事警察機構(インターポール、ICPO)から国際逮捕手配書の一つである「赤手配書」をレバノン当局が2日に受領したと報道もされているが、前出のナジャール元法相によれば、ICPOには強制的に何かを行う権限がないと指摘し、レバノンにいる限り、ゴーン被告には何の影響もないと断言しており、現時点では、ゴーン被告の日本での公判が開かれる可能性が極めて低いといえるだろう。
同日2日には、逃亡先のレバノンにて、キャロル夫人及び家族と友達に囲まれ、楽しく年末を過ごすゴーン被告の一枚の写真が公開された。フランスでは、「挑発のための写真か?」ともいわれているが、現在は、ゴーン被告は、何不自由なく家族や友達に囲まれ幸福な生活を送っている証のようだ。そして同時に反論をするための準備を着々と行っていることも伝えられている。
このような情報は、関係者からの話によると伝えられることが多いが、ゴーン被告が契約している広告会社からの情報という可能性もある。ゴーン被告は、フランス、アメリカ、日本で弁護士グループを雇うと同時に、少なくともフランスとアメリカの広告会社と契約しており、これまでも数々の発信をしてきた。情報発信をしていくことの強力さを十分に理解している上の戦略であることは間違いなく、キャロル夫人の露出度を見てもすでにかなり重要な役割をはたしていることはみてとれる。
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