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米朝対立、激化必至【2020年を占う・朝鮮半島】

Japan In-depth / 2020年1月5日 19時0分

トランプ氏は「彼は私が好きだし、私は彼が好きだ」と語り、両者は今も「良好な関係にある」と強調。一方で「様子を見よう」とも述べ、今後の事態を注視していく考えも明らかにした。


トランプ大統領のこうした発言は、金正恩報告の「われわれの抑止力強化の幅と深度は米国の今後の対朝鮮立場によって調整される」とした部分を重視し、対話の余地があると解釈したからではないかと思われる。


だがそれは大いなる読み違いだ。「抑止力強化の幅と深度を調整する」の意味は「非核化対話を行う」と言うものではなく、「制裁を緩和すれば挑発の度合いを調整しても良い」という意味である。


トランプ大統領の発言が金正恩を欺くレトリックであればよいが、まだ未練をもって金正恩に対応しようとしているのであればことは重大だ。もしそうだとしたら今までの失敗よりも何倍もの手痛い失敗を繰り返すことになるだろう。


トランプ政権は、核を保有したまま「正面突破」しようとしている金正恩の意図を正しくありのままに読み解いてほしい。もうこれ以上金正恩に時間を与えてはならない。


 


■ 2020年は北朝鮮非核化で「真実の時」を迎える


トランプ大統領は、金正恩の欺瞞戦術に乗せられ2年間の時間を与えてしまった。だがこの間に金正恩が絶対に核兵器を放棄しないということも確認したはずだ。


金正恩委員長もこの間、核放棄に応じなければ制裁が緩められないということを確認した。金正恩は現情勢を「前代未聞の難局」と分析し、「核保有路線」を明確にした上で、その難局を「正面突破戦」で切り抜けると表明した。常識的に考えれば、両者の対決は避けられない。トランプが譲歩するか、金正恩が非核化に応じるかの二者択一しかない。


金正恩のカードは「新たな戦略兵器(核兵器)」と中朝同盟、そして脅し続けてきた文在寅大統領の利用だ。このカードを使い新たな挑発がいつ行われるのか。多分2月―4月の間ではないかと思われる。それに対応する、3月から4月にかけての韓米軍事演習がどうなるのかが注目される。また4月の韓国総選挙も北朝鮮は利用するだろう。こうした動きの中で今年の動向が決まると思われるが、2020年は米朝対立激化の方向となる可能性が高い。



▲画像 日本上空を通過した北朝鮮による過去のミサイル発射実験 (2017年8月) 出典: wikimedia commons: Phoenix7777


ビル・クリントン政権で米国防総省次官補を務めたハーバード大学のグレアム・アリソン教授は、もし北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射や核実験などを続けた2017年11月までの状況に復帰する場合、トランプ大統領がミサイル発射台破壊などの軍事攻撃を命じる可能性があると指摘した(中央日報日本語版2019.12.13)。


トップ写真:北朝鮮国旗 出典:Pexels: Simon Rosengren


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