脱ゴーン、日産はどこへ行く
Japan In-depth / 2020年1月10日 8時39分
安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト)
【まとめ】
・ゴーン、日本の司法制度批判、新しい情報出ず。
・ゴーン、過去の業績見るべきものなし。
・日産アライアンス、資本関係見直しも視野に戦略立てよ。
13年間日産自動車の海外部門で働いた筆者は、ゴーン被告が日産に来る前の1992年に辞めた。今、日産が置かれている立場を見るにつけ、本当に残念な気持ちだ。
■ ゴーンの会見
保釈中の身ながら不法に国外に脱出し、自由の身となったゴーン被告。レバノンで地元メディア、欧米メディア、若干の日本メディアを集めて1月8日夜(日本時間)、記者会見とういう名の独演会を行った。
時にはジョークを交えるリラックスぶりで、早口に一方的に日本の司法制度を批判し、彼の追い落としを図ったとする日産幹部数名の名前を挙げたが、事前ににおわせていた日本政府の関与については触れることはなかった。
また、楽器用ケースに隠れて関西空港からプライベートジェットで脱出した経緯についても一切語らなかった。全体として新味はなく、「言いたい放題」の会見で、彼の国外逃亡を何ら正当化するものではなかった。正直、彼の経営者としての能力、若しくは個人としての資質を評価するには全く至らなかった。むしろ、みな疑問に思ったのではないか?
フランスのPR会社が会見をコーディネートしていたらしいが、もしわたしがメディアアドバイザーだったら、従来の主張を繰り返すだけなら何のメリットもないとして会見に反対したろう。日本国民のみならず、会見を見たほとんどの人は、そんな主張は裁判で明らかにすればいい話で、何故逃亡した海外から好き勝手言ってるのか、と感じたに違いない。会見の中で「私は日本を愛している」と繰り返したゴーン被告、その割には日本の司法制度や検察は法を守っていない!とまくしたてるのみで説得力はゼロだった。
反応は遅かったが、さすがに森まさこ法務大臣は記者会見を開き、日英仏三か国語で反論を発信した。アラビア語とポルトガル語にも翻訳した方がなお良いだろう。何しろ、レバノン人の両親を持ち、ブラジルで育ち、フランスの企業で長年仕事をしてきたゴーン被告、会見も記者の出身別に英語、フランス語、アラビア語、ポルトガル語と縦横無尽に使いこなしていたのには苦笑したが、英語以外の言語でいくら受け答えしても同時通訳が入らないと何言ってるかわからないわけで、経費をおさえたのだろうか、と訝ってしまった。
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