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「施政方針演説」を独自解説

Japan In-depth / 2020年1月22日 7時0分

但し、いくら官邸主導とはいえ、演説内容はあまり奇を衒ったものにできない。しかも、それぞれの一言一句が関係省庁間の徹底協議の対象になることは今も変わりがないはず。昔なら徹夜も辞さず戦ったものだが、今は官邸の裁定で一瞬にして決まるのだろう。霞が関の毎年恒例の官僚スポーツも大きく様変わりしたのではないか。


 


〇アジア 


中国発の「新型肺炎、情報開示に疑念 北京や広東省でも感染拡大」なる記事が注目されている。今回は武漢市から始まったが、2003年には広東省からSARSが大流行した。当時筆者は北京在勤中、「当初は患者数を過少報告し、その後爆発的に増大する」というお得意の発表パターンを思い出した。中国は変わらないなあ。


 


〇欧州・ロシア 


ベルリンで開かれたリビア和平会議のサイドラインで英首相が露大統領と会談したそうだ。英側は数年前亡命ロシア軍情報機関員と娘が化学兵器で襲撃された事件を取り上げ、「ロシアが英国と同盟国を脅かす活動を止めない限り関係正常化はない」と述べたらしいが、露が止める訳はない。喧嘩を売ったジョンソンは腹を決めたのか。



▲写真 リビア和平会議  出典)ロシア大統領府


〇中東


そのリビア和平会議には欧米やロシア、トルコ、アラブ諸国などが参加し、「恒久的停戦に向けて取り組む」考えで一致したそうだ。「恒久的停戦、取り組む、考えで一致」ということは「総論賛成、各論反対」の同義語だ。トルコの参入がリビア問題解決を更に難しくしている。トルコ介入の理由は地中海のエネルギー利権だけではないからだ。


 


〇南北アメリカ


今週米弾劾裁判がようやく動き始めた。一方、この時期は米紙NYTが民主党候補者支持を表明するのだが、今年はウォーレン、クロブシャー両上院議員の女性2人を支持するという。バイデン前副大統領には「以前に戻すことだけでは不十分」「世代交代すべし」と手厳しい。でもウォーレンだって70歳、NYTも困っているのではないか。


 


〇インド亜大陸


特記事項なし。今週はこのくらいにしておこう。いつものとおり、この続きは来週のキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。


トップ写真:第二百一回国会・総理施政方針演説  出典)首相官邸Twitter


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