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なぜ進まぬ迎撃魚雷の実用化

Japan In-depth / 2020年1月25日 7時0分

この場合も迎撃は困難となる。


 


正確な照準ができないからだ。


 


迎撃魚雷のセンサ能力は低い。相当に接近させなければ敵魚雷を追尾してくれない。


 


そのため敵魚雷は正しく狙う必要がある。敵魚雷の将来位置、例えば2分後の位置で丁度ぶつかるように見越して発射される。


 


その照準には敵魚雷データが必要だ。将来位置推定には現在位置と針路と速力の把握が必要だからだ。中国の先行研究では60秒と30秒のモデル計算がなされている。おそらくは余裕をもった解析時間と最低限の時間の対比である。(*3)


 


だが距離1km以内での敵魚雷探知では正確な照準はできない。敵魚雷は60秒で1500m、30秒でも750m進むので間に合わない。その場合は低命中率の咄嗟発射しかできないのである。



■ 敵魚雷よりも遅いこともある


 


2つ目は性能不足である。一般的に迎撃魚雷は敵魚雷よりも遅い。またセンサー性能も低く信管動作にも不安がある。


 


基本的に迎撃魚雷は速力不足である。先に挙げた5ヶ国魚雷の速力は40ktから50ktまで、時速では74kmから93kmだ。対して目標となる攻撃魚雷は概ね50kt以上、新型では60kt以上で航走する。


 


つまり迎撃不能の状況もありうる。互いの位置関係や速度差では迎撃魚雷は追いつけないのだ。


 


既述のとおりセンサ性能も低い。開発中の迎撃魚雷は直径16cmから33cmと小さい。その頭部に収めるセンサも小さくなる。高性能は期待できない。


 


信管動作も怪しい。


 


魚雷は主として磁気信管を用いる。磁気変動を観測しそのピークを感知して発火する仕組みだ。


 


だが、目標となる敵魚雷の磁気量は小さい。魚雷重量は2t前後しかない。しかも最近は軽金属や非金属材料も多用される。磁気は伴うものの変化幅は小さい。信管は確実動作するとは言い切れないのだ。



▲写真 対潜用短魚雷MU90の発射状況。仏伊は迎撃魚雷機能追加を構想しており2000年から実発射試験を始めている。焦点は米国と同様に直進魚雷とウエーキ・ライダーとされている様子でありシミュレーションでの無効化成功率は85%と77%としている。


撮影:ItalianLarry(CC BY-SA 3.0)


 


■ 自分の雑音で敵魚雷の騒音が聞き取れない


 


3つ目は自己雑音の問題である。


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