東京の未来「悪くないだろう」?~東京都長期ビジョンを読み解く!その84
Japan In-depth / 2020年2月11日 12時50分
西村健(NPO法人日本公共利益研究所代表)
「西村健の地方自治ウォッチング」
【まとめ】
・「未来の東京」戦略ビジョンは2040年に向けた東京の長期計画。
・現状認識のズレ。
・問題意識や責任範囲、そもそも公共的な使命や責任という面に欠ける。
「未来の東京」戦略ビジョンが昨年末、発表された。2040年代に目指す東京の姿「ビジョン」と、その実現のために2030年に向けて取り組むべき「戦略」とのこと。いわゆる、行政でいう「長期計画」である。
簡単に説明すると、住民生活、地域、福祉、インフラ、都市経営、産業、環境、教育、防犯などでどういったことに行政は取り組むのかを書いたものである。冊子で300ページを超え、なかなかの分量であり、そのために用語集を作ったり、「『未来の東京』への論点~今、なすべき未来への投資とは~」を公表してきた。とても分かりやすく、文章としても面白い。かかわった都庁職員の方々をはじめ、皆さんとっても頑張った感はある。
その特徴と言うと・・・
・キーワードは2つ、「成長」と「成熟」。
・バックキャストの視点で将来展望、デジタルトランスフォーメーションで「スマート東京」を実現。
・実現可能性、取り組みにかかる費用、未達成時の責任について記載されていない。
などなどの特徴がある。お笑い芸人ぺこぱ風にいえば「悪くないだろう」。個人的には今までの計画と格段の差がある。職員の能力の本領発揮しつつあるのだろうか。
■現状認識はあってる?
こうした都政への頑張りにリスペクトを表し、真剣に確認していきたい。専門家としてみると思うのは、第一に、現状認識に違和感を覚えることだ。
東京の「強み」として、
安全安心、都市インフラ
【強味】世界の都市にはない高い安全性と利便性が存在する
<安全安心>
・ザ・エコノミスト・インテリジェンス・ユニットが公表する「Safe Cities Index 2019(世界の都市安全性指数ランキング2019)」において1位を獲得するなど、世界に誇る治安の良さをはじめ、都市の安全性が高度に確保されている。
・河川護岸や調節池・雨水貯留施設の整備をはじめ、ハード・ソフト両面から、災害に対する対策を進めてきており、他の大都市と比べ、災害に対する備えが着実に行われている。
<都市インフラ>
・三環状道路の整備や羽田空港の機能強化など、交通イン フラが高度に整備されつつある。
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