英国民と女王のトラウマ(上)何が違う?日本の皇室と英の王室 その2
Japan In-depth / 2020年2月22日 22時22分
▲写真 エドワード8世 出典:パブリックドメイン
ウォリス・シンプソン(後にウィンザー公爵夫人。故人)は、1896年、米国ボルチモアの、決して裕福とは言えない家庭に生まれた。生来の姓はウォーフィールド。容姿もさほど目立たなかったが、ダンスや会話術の習得には幼いころから熱心で、パーティーでは毎度会話の中心になり、男性関係もなかなか華やかであったらしい。
「いずれハイクラスの男性と結婚するのが夢なの」
とよく語っていたと、複数の友人が証言している。そして実際、大英帝国王妃兼インド女帝(当時の呼称)となる一歩手前まで行ったのだ。ちなみにエドワード8世あらためウィンザー公との結婚は三度目で、最初の結婚相手は職業軍人だったが、夫の酒癖と女癖に愛想つかして離婚。二度目の相手が、米国の船会社のロンドン支店長を務めるアーネスト・シンプソンという人物であった。彼は英国籍欲しさに近衛騎兵連隊に志願した経歴を持っており、その縁でシンプソン夫人もロンドンで社交界デビューしたのである。
つまり、エドワード皇太子とは不倫関係であったわけで、これも周囲が結婚に反対した理由のひとつであったことは言うまでもない。周囲とは具体的には王侯貴族や政府・英国国教会で、要するに四面楚歌であった。念の入ったことに、当時の英国政府は外交ルートを通じて、英連邦諸国の元首全員の意見を取りまとめたが、結果は「一致して結婚に反対」であったという。
結局エドワード8世は、在位わずか325日間で退位してしまい、弟のヨーク公アルバートが、ジョージ6世として即位した。現在のエリザベス2世女王の父である。
……以上が「王冠を捨てた恋」の顛末・超ダイジェスト版だが、実はこれが意外な形で我が国の皇室とも関係している。詳しくは、次回。
(続く)
トップ写真:ヘンリー王子、メーガン妃 出典:Flickr; Mark Jones
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