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米はコロナウイルスに勝てるか

Japan In-depth / 2020年2月29日 13時32分

 



写真)緊急事態宣言を行う、ロンドン・ブリードサンフランシスコ市長 2020年2月26日


出典)@SFDPH


 


サンフランシスコ近隣のソラノ郡で感染経路不明の患者が確認された今、臨戦態勢は強化されよう。カリフォルニア州ではこれに加えて、南部の400万人都市ロサンゼルスに隣接するオレンジ郡も2月27日に非常事態を宣言した。さらに同州全体で感染が疑われる8600人の経過観察が行われている。


 


(なお、同じくロサンゼルス近郊のコスタメサ市では、横浜港での検疫停泊中に感染の温床となったクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」から退避して米国内での再検疫中である軽症の米国人感染者33名の移転受け入れを拒否、連邦地裁が市側の決定を3月初旬までの間は許可している。)


 


また、韓国やイタリアで対策が後手に回って感染が不必要に拡がった事実を受けて、米国での準備態勢を「より早く」「より良く」整えよとの論調がメディアを中心に高まっている。特に、医師がコロナを疑ったカリフォルニア州の女性感染者のCOVID-19検査が、米疾病対策センター(CDC)の症状基準を満たしていなかったことから検査の裁可が4日間も出されず陽性確認が遅れ、感染をさらに拡げた可能性があることに鑑み、連邦政府は方針を変更しつつある。


 


具体的には、感染の疑いがあればCOVID-19検査を医師の判断で行えるようになることが、CDCによって2月27日に発表された。これは対応の権限の重要な部分を連邦政府から現場の医師と自治体に移譲することを意味しており、より迅速に手が打てるようになる。


 


米専門家たちは地域の病院においてコロナウイルス患者受け入れ準備訓練を開始するよう提言をしており、非常事態となれば感染が疑われる者と一般患者の動線を分離の上、院内の駐車場に仮設テントを設置、収容能力を超えて院外にあふれた人々の診察や手当にあたる即応プランも各地で検討中だ。


 


米医療関係者からは、中国の教訓に学んで医療従事者をまず公共に優先して保護し、病院が感染の温床にならないよう対策をとるよう提言が相次いでおり、彼らに対する医薬品の優先的供与などが実行に移されると思われる。医師や看護師などが倒れたり大量死しては医療そのものが崩壊して社会も崩壊するため、こうした優先順の決定は前もって行われそうだ。


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