「緊急事態宣言、事前の国会承認必要」山尾志桜里衆議院議員
Japan In-depth / 2020年3月12日 21時28分
さらに、「期間は2年からせいぜい半年に短縮して、必要があれば説明して延長していくという形にすべきだ。そのあたりが民主的統制としての最低ラインだ」と述べた。
緊急事態条項を巡る改憲論議との関係はどうなのか?
「私は立憲主義を守ることと憲法の文字を守ることとは全く違うと考えている。例えば野党の大半の意見というのは、緊急事態条項は危ない、現在の法律で事足りている、というものだ。そういう中で、仮に緊急事態法制が民主的統制の面でザル法だとしたら、その法律がそもそも危ないのではないかという話になる」と述べ、あくまで国会における承認が必要との考えを示した。
さらに山尾氏は、「憲法の議論は、憲法典の条項を変えるか否かという話に限られない。国家による国民の権利抑制をどう国民の側からコントロールするかという問題だ。憲法典はその重要な手段の1つ。今回の特措法が提示した問題は、憲法典に限らない広義の「憲法」として我が国の緊急事態における歯止めをどう設定するのかという問いかけとも本質的にリンクする問題だ」と述べた。
その上で、「今回の件が直近の緊急事態法制のスタンダードになる。どういう歯止めを必要とするかが非常に重要となってくる。それは各党、各国会議員の考えの提示にもなる」と述べ、国会議員一人一人の姿勢が問われるとの考えを強調した。
現在行われている、幼小中高の一斉休校だが、現在自治体によって対応にばらつきがあるのが現状だ。これに対し、山尾氏は、「総理が要請した一斉休校に対し、各自治体が、休校を遅らせたり、子どもたちの居場所として学校を一部開放したりと、リスクを背負って様々な措置を選択している」と述べ、自治体の独自の判断がなされたことを評価した。
一方、「それは要請だからこそできたことで、緊急事態宣言の指示となるとできなくなる。要請レベルの時ですらサポートができない政府に、指示の権限まで持たせて本当に事態が良くなるのか」と懸念を表明した。
▲写真 ©Japan In-depth編集部
■ 検事長の定年延長問題
次に、東京高等検察庁検事長の定年延長問題について聞いた。
「これは、政権が法を曲げて検察官人事をおし通すことが許されるのかという問題。それも裏付けのある捻じ曲げ方ではなく、粗雑な捻じ曲げ方だ」と、山尾氏は断じた。
現在国会は、森雅子法相が3月11日の参院予算委員会で、9日に「東日本大震災の時に検察官が最初に逃げた」などと答弁したことで、空転している。
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