令和の朝日新聞大研究 1 国宝級の反面教師
Japan In-depth / 2020年3月15日 11時0分
古森義久(ジャーナリスト・麗澤大学特別教授)
「古森義久の内外透視」
【まとめ】
・講和条約、日米安保条約で朝日新聞は日本を破滅に導く主張を展開。
・国難では朝日新聞主張と反対を進めばよい。だから指針として貴重。
・朝日新聞は自戒のための価値ある教材。日本国にとっては反面教師。
令和時代のいま、改めて朝日新聞について論考してみたい。
朝日新聞はなんといっても日本のメディア、報道機関の一角のシンボルである。よくも悪くもその存在感は強い。日本のメディア全体の特徴を体現する部分も多い。
朝日新聞を論考することは日本全体の改めての論考にもつながっていく。日本全体の流れのなかで朝日新聞の独特の立ち位置がいまやどのように変わったのか、変わっていないのか。朝日新聞は日本の国家や社会を映し出す鏡だともいえよう。ただしその映し出し方にはゆがんだ部分もまっすぐな部分もあることはいうまでもない。
古い伝統を持つ朝日新聞が令和という新しい時代を迎えて、どのようになったのか。変わったのか、変わっていないのか。そのへんの検証を試みたい。
私は朝日新聞を長年、読んできた。昭和、平成、令和という各時代を通算して、もう50年を越える。その間、読むことの理由は自分が新聞記者だという職業的な要素が大きかった。だがそれに留まらず、朝日新聞を読むこと自体が好きだったともいえる。だから読むことが好きだという意味で、私は朝日新聞の愛読者だったともいえよう。朝日新聞を愛したという意味ではない。
ここ30年ほどは朝日新聞を自分にとっての反面教師だとみて、その価値を実感してきた。朝日新聞の報道や論評のまちがいを自分にとっての教訓にするという意味での反面教師である。自分は決してそんなミスは冒さないようにと自戒する教材だともいえる。
皮肉をこめていうならば、朝日新聞は日本にとっての貴重な宝だとも思う。反面教師としての価値がそれほど高いからである。
日本の国が重大な難関に直面し、どの方向に進めばよいのか、わからなくなった場合、朝日新聞が主張する方向とは反対を進めばよいのである。だから指針として貴重なのだ。戦後の日本の歴史がその真実を証明してきた。
第一には1951年の日本の独立だった。
この年9月のサンフランシスコでの対日講和条約の調印が日本に連合軍占領を終え、主権を回復させる歴史の転換点となった。この条約について日本国内では「単独講和」論と「全面講和」論とが対立した。
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