令和時代の朝日新聞大研究 4 ヘイトスピーチ化
Japan In-depth / 2020年3月18日 11時0分
古森義久(ジャーナリスト・麗澤大学特別教授)
「古森義久の内外透視」
【まとめ】
・朝日記者が安倍政権と支持者を「バカな野郎」と憎悪表現。
・朝日新聞は気に入らない相手には乱暴で汚い誹謗の言葉をぶつける。
・堕ちた朝日記事を誰も読んでいなかった。部数が落ちたなと寂寥感。
さて第二の朝日新聞の令和時代の特徴はヘイトスピーチ化傾向である。
この傾向は前述の紙面の劣悪化と一体でもある。朝日新聞が最近、一定の対象を攻撃する言葉には、明らかに「憎悪表現」として朝日自身が非難するヘイトスピーチと思える極端な表現が含まれるようになった。
実例は2019年9月18日朝刊オピニオン面の「多事泰論」というコラム記事だった。筆者は編集委員の高橋純子記者である。
高橋記者といえば、安倍政権憎し、安倍政権を倒すには公衆便所を詰まらせよとも、書いた異様な筆者でもある。だが朝日新聞はこの記者に紙面上の目立つスペースを与え、異様な内容の記事を定期的に書かせているのだ。
この記事で頻発されたのは「バカな野郎」というののしり、憎しみの言葉だった。
安倍政権は「バカな野郎」なのだという。安倍政権を支持する日本国民も「バカな野郎」ということだろう。その「バカな野郎」は日本を戦争に引きこんだ「戦犯の東条英樹元首相」らでもあるのだ。同じ「バカな野郎」の安倍政権は戦争をも引き起こすのだ――こんな趣旨の記事だった。
書き出しは以下だった。
《どうして日本は戦争に負けたんですかね。もし勝っていれば今ご ろ、青い目の人が丸まげ結って三味線弾いて……と冗談めかして語 る軍隊時代の部下に、主演の笠智衆は穏やかな笑みを浮かべて言 う。
「けど、負けてよかったじゃないか」
真顔になった部下が応じる。
「そうですかね。うん、そうかもしれねえな。バカな野郎が威張らな くなっただけでもね」
小津安二郎監督の映画「秋刀魚(さんま)の味」(1962年)を見て、このセリフをかみしめながら、9月11日、内閣改造が行われた日の夜をやり過ごした。74年前、東条英機元首相が戦犯として逮捕される直前に自殺を図り、未遂に終わった日でもある。…》
安倍政権の内閣改造の日が東条元首相の自殺未遂の日と同じだというのだ。まず74年を隔てたこの2つの無関係な出来事を結びつける奇怪な連想が病みを感じさせる。
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