令和の朝日新聞大研究7 御用達の朝日文化人の利用と溶解の展望
Japan In-depth / 2020年3月25日 10時7分
古森義久(ジャーナリスト・麗澤大学特別教授)
「古森義久の内外透視」
【まとめ】
・朝日御用達識者がトランプ支持者をナチス支持層と重ねる。
・異端へ暴走、メディアの道から逸脱、日本や世界の現実から離反。
・朝日新聞はすでにメルトダウン(溶解)が始まっている。
朝日新聞は自社のプロパガンダに社外の人材をも頻繁に利用する。
かつて朝日文化人という言葉があった。朝日新聞がよく起用する、いわゆる識者たちのことだった。学者、芸能人、政治活動家、ジャーナリストなど多彩の顔ぶれだったが、みな朝日新聞の独特の論調に大なり小なり同調する点が共通していた。
というより、朝日新聞が自社の特異な政治プロパガンダに賛成するような人物たちを探し、紙面に登場させて、自社の主張を明確に、ときにはもっと激しく、誇張する形で述べさせるという癒着メカニズムが存在するのだといえよう。
最近の実例では2019年8月22日朝刊の長文の論文記事だった。朝日新聞がトランプ大統領をほぼすべてにわたり非難するという立場は明確だが、この記事はトランプ支持者たちへの誹謗だった。
朝日新聞はそのトランプ支持者への悪口を自社の記者ではなく外部の学者に述べさせていた。しかも自社の主張ならばおそらくためらうだろう極端な非難だった。しかもその立脚する根拠というのがみえてこないのだ。
だから私は朝日文化人という古い言葉を思い出したのだ。朝日新聞御用達識者と呼びかえてもよい。要するに朝日新聞が主張したい言説、拡散したいプロパガンダを替わって、もっと激しく、もっとどぎつく述べてくれる人たちのことである。
今回の記事はオピニオン面の下段、「政治季評」というコラム欄に載った「トランプ氏を支持したのは『違い』を嫌う権威主義者」という見出しの論文だった。
筆者は早稲田大学教授の政治学者、豊永郁子氏だった。豊永氏はときおり朝日新聞に登場して、安倍政権やその官僚をナチス・ドイツに重ねて叩く論法を展開した実績がある。
今回のテーマはトランプ政権とその支持者だから、ワシントンでトランプ政権やアメリカの政治状況を取材している私にとっても関心は高かった。
豊永氏の主張は要するにトランプ大統領を支持する人はナチス・ドイツを支持した層と酷似する全体主義者たちだというのだった。
同論文では「権威主義者」という言葉がキ―だった。権威主義者Authoritarian とは文字通り権威主義Authoritarianism を信じる人を指す。権威主義というのは全体主義という意味でもあり、要するに非民主的な独裁主義をも指している。
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